マホメッド二世と画家ベッリーニ
(´^ω^`)「ねえねえ、見てみて…」
(`・ω・´)「聖ヨハネのクビがちょんぱされた瞬間の絵を描いてみたんだ」
(´^ω^`)「すごくいい出来でしょ!!」
彡(゜)(゜)……
彡(-)(-)「たしかに絵は綺麗に描かれとる……」
彡(゜)(゜)「けど、間違っとるで」
(´^ω^`)「え……」
彡(゜)(゜)「首を切られた直後の人間の血管や神経は……」
彡(゜)(゜)「切られた反動で首の内部に引っ込むんや」
彡(-)(-)「けど、お前の絵はそれが飛び出しとる」
彡(゜)(゜)「まあ、口で説明するより見た方が早いわ」
彡(゜)(゜)ノノパチ「おい、そこの奴の首を切れ」
(´∀`)「アイアイサー」
( ˙-˙ )「え!」
バシュッ
( ´ρ` )……
(。゜ω゜) ……
彡(゜)(゜)「な、ワイの言った通りやろ」
ある時、ヴェネチア出身の画家ベッリーニは仕えていたマホメッド二世に、洗礼者聖ヨハネが首を切られた瞬間の絵を見せた。
マホメッド二世は、それをしばらくじっと見つめた後、画家の巧みさを称賛した。
しかしその後で、これには誤りがあると言った。
なぜなら、切られた直後の人間の血管や神経は、切られた反動でひっこむ。
それなのにこの絵では、それが飛び出していると言うのである。
画家ベッリーニはこのマホメッド二世の指摘に驚いて何も言うことができなかった。
マホメッド二世はこの沈黙をどう受け取ったのか、家臣に命令して、その場で奴隷の首を跳ねてしまう。
眼前に広がる血塗られた光景は、マホメッド二世が正しかったことを証明した。
この出来事を画家ベッリーニがどう感じたのかは分からないが、彼はこの後、故郷ヴェネチアに帰国することになる。
参考、引用 水の都の物語 塩野七海
短編で書けそうな逸話があればコメントで教えてください。
お待ちしています。