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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
二学期・スタート!
98/137

きさらぎ駅にて ②

 オレらは階段を上っていく。

 階段を上っていくが、一向に上にたどり着きそうにない。ループしている……のだろうか。そのこともミヨシさんはすぐに感じ取ったようで、上には行けないと悟ったようだ。

 前回のように墓石を壊して進む系ではなく、本当に何もない。

 上っても上っても同じ場所に戻されている気がする。なので今度は下りてみると、普通に元の階段を上がる前の場所にすぐについた。


「上は行けそうだけど今行く方法はなし……」

「しょうがない。戻るとしよう。それに、戻る方法はまだ試していないのが一つあるだろう」

「あー」


 あそこだな。

 オレたちはとりあえず駅のホームに戻った。二人は世間話していたのか、アザトースの恐怖心もちょっと和らいでいたと思う。


「どうでした?」


 と恐る恐る聞いてきた。


「出る方法は未だない……」

「そんな……私たちずっとここにいるんですか!? 嫌ですよ!? 私こんなとこにいたら死んじゃいますってぇ!」

「さすがに脱出する方法は用意しているはずさ。それを今から全員で探すしかないだろう!」

「いや……まだ行ってないところがある」

「ど、どこですか!?」

「この線路」


 どうやらここはちょっとしたトンネルの中のようで、地下鉄ではないことはなんとなくわかった。

 

「ここが本当に駅ならば歩いたら次の駅に着くかもしれない。だが……戻ってこれない場合を考えると、あまりここに残していくのは危険が過ぎると思う」

「ぜ、全員で行くしかないってことですかぁ?」

「そうなるな」

「嫌ですぅううううう!」


 そうわがまま言われてもな。

 オレはとりあえず線路に降りる。そして、すぐ歩くと外が見えると叫んだ。やはり線路はどこかに通じているようだった。

 電車、新幹線が来たら相当まずいが、ここしか脱出する方法がないのならここを歩くしかないだろう。


 オレがそういうと、後ろから二人と、びくびくしながらゆっくり歩いてくるアザトースがいた。


「ほ、ほほ、本当に外です……。け、けど、こんな不気味なんですか……? 太陽の光も入ってこないような木々に囲まれてっ……」

「さて、何が出てくるか……。ただのホラーイベントならまだいいが戦闘系は勘弁……。前みたいなニセモノは嫌だな」

「私もニセモノは勘弁願いたいものだ……。と、またトンネルだ」


 トンネルの前には看板が立てられており、「伊佐貫トンネル」と書かれていた。オレらはそのトンネルの中に足を踏み入れる。

 トンネルの中には明かりはあるのだが、少しまだ薄暗い。ゆっくり、歩いていた時だった。突然、明かりの一つがパリンと音を立てて割れる。


「きゃあああああああ?!」

「なんかいるなァ……。こういうのにはつきもんだよなァ。覚悟は決まってるから怖くはねェぜ」

「戦うとなっても大丈夫だろう。遠くの明かりが割れている」

「もう一つ割れたな! だんだん近づいてきていないだろうか?」

「そういわれれば……。急げってことなのかもしれねェな! 走るぜ!」


 オレらはとりあえずトンネルの出口目指して走ってみる。

 走りながらオレは後ろに耳を傾けるとパリン、パリンと奥から順にライトが割れていっている音がしていた。

 追いつかれたらなんかまずい気がする。オレらは全力で走り、やっとトンネルの外が見えてきたのだった。


 トンネルの外に出ると、すぐそこには踏切があり、踏切には車が止まっていた。カメラを手にしていた男性がいて、何をしているんだと尋ねてくる。


「いや……知らない駅に降りてしまって」

「そりゃ災難だったね? ここら辺の駅はどうも怖い駅ばかりだからさ……。気を付けたほうがいいよ」

「すんません」

「よかったら乗っていくかい? 近くの駅まで送るよ。そこからまた電車に乗るといい」

「いいんですか! ありがとうございますぅ!」


 と、アザトースは嬉しそうに笑っていた。

 オレは怪しいと思いながら、全員、その男の人の車に乗りこんだ。なんかあってもいいようにオレが助手席に乗り込んだ。

 が、男の人はにやりと笑った気がした。








だいぶ空想の設定も入ってます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 拳銃をいつでも突きつけられるようにしておかなきゃ・・・
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