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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
二学期・スタート!
97/137

きさらぎ駅にて ①

 きさらぎ駅。

 それは幻の駅だ。元ネタはわからないが、都市伝説となっている駅名。きさらぎ駅は異界の駅とも呼ばれ、この世のものではない存在がいるという。

 きさらぎ駅は現実世界には存在しない。きさらぎという地名もないからな……。


「つまり、ここはその、この世のものではない存在が跋扈している場所ってことですか?」

「そうなるな」

「ひぇっ……」


 アザトースは顔を青ざめさせた。


「怖いの苦手なのか?」

「大の苦手です……」

「あー……」


 ならこの場所はダメだろうな。


「ふふ、ラズリと出会うと高確率でホラーと遭遇するな」

「笑ってる余裕あるんすか……」

「はーっはっは! なるほど! おれが悪いということだな!」


 よくわかっておられで。

 アザトースは時刻表を見ていた。そして、時刻表を見て、ひゅっと息をのむ音がした。


「次の新幹線、じ、時間書いてませんね……」

「ってことは来ないってことだろうな!」

「い、いやあああああああ!!」


 ものすごい叫びだった。

 とりあえず、きさらぎ駅から脱出する方法を探さねば。脱出方法なんて知らないが……。とりあえず線路に降りてみる。


「線路をたどっていけねェか?」

「ここは異界なのだろう? となると、世界から切り離された空間ということだ! 十中八九無理だと思うぞ!」

「だよな」


 オレはホームによじ登る。

 アザトースは震えて動けなさそうだ。


「とりあえずここの探索をしなくちゃならねェのは確かなんだよな」

「わ、私はここにいます……。こ、ここ、怖い、ので」

「だよな。だが一人にするのもあれだし……」

「はーはっは! ならおれがアザトースとともに残ろうではないか! ここに降りた元凶はおれなのでな。探索もしたいが、それは君たち二人に任せよう!」

「だそうですよミヨシさん」

「ああ。君と二人なら安心だな。行こうか」


 オレはミヨシさんと一緒にとりあえず駅の外に出ることにした。

 駅の外につながっていそうな階段を上ると、改札があった。改札は閉ざされていて、動きそうもない。明かりがついているからこの駅には間違いなく電気は通っているだろうが、それでも通るための切符はないから飛び越えていくしかなさそうだ。


 オレとミヨシさんは改札を飛び越えてしばらく歩く。


「いたって普通の駅という感じがするな。駅が少し崩れている程度だ」

「崩れていたらもう普通とは呼べない気がするんすけど」

「西口とか東口とかあるみたいだ。またループしないといいが」

「それフラグっす」


 十字路だからそれが怖いんだよ。

 ループしたらどうするんだ。


「とりあえず東口に進んでみよう」

「うっす」


 そういって、東口と書かれた矢印の方向に向かうが。


「瓦礫で埋まってる……」

「この先は行けなさそうだな。引き返そう」


 瓦礫で埋まってる程度で助かったな。

 今回はループしなさそうで助かったよ。オレらは引き返し、今度は西口に向かってみるが、西口の降りる所も瓦礫でふさがれ、行く道はどうやら南口しかないようだった。

 南口に向かうと、二つの道がある。上につながる階段と、駅のホームに入るような降りる階段。二手に分かれて探すのもアリだが、またあの時みたいにニセモノに成り代わられるのは嫌だからまずは駅のホームを調べてみる。


「なんもないな」


 なんもなかった。

 なんか落ちてないかとも思ったが落ちてるものもない。南口の探索を切り上げ、気になるところに向かうことにした。

 上り階段。その先には何があるのだろうか。












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