ゲームを抜けてくれないか
オレはゲームに復帰させてもらい、リーダーに一応話しておく。
「アレ聞く耳もたねェんでキルしたっす」
「じゃあまた10分後に来るかもね……。めんどくさいなぁ」
「人のいいリーダーでもそう思うんすか」
「思うよ……。単なる負けず嫌いならまだ可愛げがあっていいなーとは思うけど、あの子は負けたと認めたくない人だからめんどくさい」
あー。
たしかに負けたと認めてないな。狙撃は卑怯者のすることだとか言われたな。自分自身の武器を見てからそれを言ってほしかったが。
「でも、キルされたことで少しは君に対する対抗心か、恐怖心は生まれたと思う。君も少し付きまとわれるかもね」
「はァ……。なんでオレがあんな面倒なのに付きまとわれるんだか……」
「ごめんね」
リーダーは謝ってくる。
そして、ため息をついていた。
「この動画の編集面倒くさくなりそうだ……。もろもろメッセージが届きまくってるから僕の底の部分はまるっきりカットだし、君に頼み事したところもカットだし……。使える部分が少なくなってくるよ……」
「動画的に見てもすげぇ嫌なことしかしてねェっすね」
たしかにこのやりとりとかは動画にはできないな。
オレも一応動画を回してるとはいえ。カゲロウのメッセージがカメラにたくさん写ってるし、カメラにはメッセージが来た通知音も撮られるらしいので、メッセージがたくさん届いたところを動画にすると視聴者にも不快な思いをさせちゃうとかぼやいていた。
「今キルして何分経つ?」
「あー、8分くらいっすね」
「そっかー。そろそろ復活してきちゃうな」
「ゲームやめてどっかでかけてるとかならうれしいんすけどね」
「あの性格ならまたログインしてまたメッセージ送ってきそう……。仕方がないか」
リーダーはため息をつく。
「ラズリさん。申し訳ないんだけど……。君には特別に賞品をあげるから、あっちの世界に戻ってくれないかな」
「オレがまた相手しろってことっすか」
「ごめんね。一応リーダーであり、動画撮影している以上、最後まで残りたいんだ。これは僕のエゴ。断ってくれてもいいよ」
「……ま、別にいいっすよ。ただ、こういうのはオレらだけにとどめておくのもいけないんで、ほかのみんなにも伝えておいてくださいね」
「わかってる。さっきのも一応伝えておいたからさ」
「うっす」
オレは銃を取り出した。
「ま、動画にするなら最後まで抗った感じは欲しいっすよね?」
「あー、そうだ、ね」
「オレがこの建物に隠れてるってことにして、見つけた感じにしましょうか」
オレは窓のほうに向かう。
リーダーは一番下に降りていった。そして、階段をゆっくり警戒しながら上がってくる演技をしている。オレはキョロキョロと警戒するような仕草を取った。
リーダーはあっちの柱に隠れているようだ。
「誰かの気配がする」
オレは銃を構えた。
どこにいるか探るような仕草をして、オレは獲物を探すような演技を取る。
「隙あり、だね」
「なっ……リーダー!?」
オレは銃を構えるが、リーダーは剣で素早く切り伏せてきた。
「んなァっ……!」
「ごめんね。狙撃手は早めに潰しておきたかったからさ」
そういって、オレは箱庭の外に放り出されたのだった。
また再びラズベリーさんと目が合う。
「またあの子のためにやられてきたの?」
「というか、あいつのためにもうゲームから抜けただけっす。リーダーから賞品をもらうということでサバゲ―を抜けてあいつを止めるってことで」
「ほんと厄介ねぇ」
まったく。




