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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
試される大地ホッカイドウ
80/137

創作意欲

 倒した。

 ようやく、というか、倒せると思ってなかったが結局ゴリ押しで勝ってしまった。


「っっっしゃぁああああああ!」

「はっはっはーのはー!!!」


 ジャイアントキリングにも程がある。

 ウェンカムイを討伐した。そして、新たなエリアである北方領土が解放された。いや、解放されたって言い方だとなんか語弊を招きそうだが。

 北方領土四島に行けるようになったようだ。


「なるほど。北海四島を護るボスがこのヒグマだったんすね」

「北海四島ね……」


 この世界での言い方はそうらしい。


「北海四島には神を祀る神殿があるんすよ。神様にも会えるんすけど……アタシはどの面提げて行きゃいいんすかね? 絶対なぜ天界に戻って来たとか怒られるっすよ……」

「それは自業自得だろうがよ……。いや、まァ戦闘狂のお前を人間界に放つ神様も神様だけどよ」


 こいつの実力はすごい。だからこそこんなのを世に解き放った神様も神様だと思う。


「まァ、今日は行かねェよ。疲れたわ……」

「そうだね。おれもものすごい疲労感が襲って来ているよ」

「今日は宿見つけてログアウトするかァ〜!」


 ウェンカムイを倒したという満足感と疲労感。

 シレトコにはもう用はない。あとは帰るのみだが、それは明日。強敵を倒した疲労感で、今すぐにでもログアウトして眠りたい気分。


「死に戻りでもするか」

「そうだな。それが手っ取り早い」


 オレはラミュエルを戻し、とりあえず死ぬことにした。

 自殺は出来ないようで、誰かに殺してもらうしかない。だがオレは祝福を持っているせいで人を殺せない。

 となると魔物に襲われて死ぬ方が合理的だ。


「魔物いなさそうだな」

「となると……身投げか」

「あー」


 なら良い方法がある。

 オレはアマカケルを抱きかかえ、ターボジェットで上昇していく。


「なるほど、高さは作れるのだな! 素晴らしい! だが……」

「だが?」

「これは君がおれをキルしたことにならないか?」

「あー……ならねェんじゃねェの? 知らんけど」

「……おれのせいでカルマが溜まってしまうのはごめん被りたいが」

「まァ、大丈夫でしょ。もう十分だろ。離すぜ?」

「ああ。また、一緒に遊ぼうではないか!」


 オレはアマカケルを手放した。

 そして、オレもスキルの使用をやめる。パラシュートなしでスカイダイビングしてるみたいだぜ!  

 オレらはどんどん堕ちていく。これ現実だったら相当嫌だろうな。走馬灯何回見りゃいいんだか。


 こういう死ぬ間際の曲……。とかも作ってみてェな。作るか?

 

「フライング……僕らは鳥なんかにはなれない……」


 オレは地面に落ちるまで歌詞を考えることにした。

 曲名はバードストライクだな。今のオレらのように堕ちていく曲にしよう。


 歌詞を考えていると、地面がすぐそこまで迫って来た。


「じゃあな!」


 オレはそのまま地面に激突して、目の前が暗転したのだった。

 オレはヘッドギアを外しテーブルに置く。そして、今のテンションのまま、オレは持ってきてもらったノートパソコンを開き、迷惑にならないよう作曲を始めたのだった。








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