表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
試される大地ホッカイドウ
79/137

ウェンカムイ ③

 状況を説明するならば、マズイという一言に尽きるだろう。

 巨大化したウェンカムイは吠える。その声も爆音で、オレらの耳をふさがせた。その瞬間、目の前にウェンカムイの前足が飛んできた。

 オレはぎりぎりで躱す。


「どうするよ」

「これはどうしたものだろうか」


 倒せるビジョンが思い浮かばねェ。

 オレはとりあえず、銃を撃つ。脳天めがけて撃ってみるが、当たりはしたものの、硬いのか弾がはじかれたのだった。

 頭を狙えない……? さっきは目だったからダメージが入ったが、頭がい骨を貫通できないのか。ヒグマの頭って固いのかよ。


 となると撃つのは胸。心臓あたりを狙って狙撃するしかない。だが、この巨体では胸辺りに撃っても弾は心臓まで届かないだろう。

 ならばどこに撃つのが正解なのか。


「口ン中しかねェなァ!」


 ウェンカムイは大きく口を開け、かじりつこうとしていた。

 オレはウェンカムイの正面に回り込み、弾を放つ。口の中に入っていった銃弾はダメージを与えたようで、痛そうな叫びをあげた。

 その隙にアマカケルは懐にもぐりこみ、仕込み杖を思い切りぶっさした。胸のあたりにぶっ刺し、ウェンカムイはもがく。


 あと、忘れていたことがあるな。


「ラミュエル! 来い!」

「じゃじゃーん! 召喚されたっすー!」


 ラミュエルがいたじゃないか。

 ラミュエルは光をまとって現れた。


「うおおお!? 馬鹿でかいクマっすねぇ! なるほど、これと戦うんすか」

「少しでも人数を増やすために呼んだ」

「二人じゃきつそうっすもんね! じゃ、クマ公! アタシとも喧嘩だァ!」


 オレとラミュエルはそれぞれの弾を放つ。

 再び口の中に着弾し、ウェンカムイは口から血のようなものを流した。そして、ぎろりとこちらをにらみつけてくる。

 ウェンカムイは再び地面を持ち上げ、ぶん投げた。


「うおおおおおおお!? 地面えぐって投げつけて来るとはなんたるパワーっすか!?」

「そのくだりはもうやってんだよ! 躱さねェと死ぬぜ!」

「全力で躱すっす!」


 オレとラミュエルは岩を躱す。

 岩はオレらの後ろに飛んでいった。


「クマ公のくせに生意気っすね……。ラミュエルちゃんの必殺技見せちゃおうかなー」


 そういって、ラミュエルの弓が変化していく。

 弓から、なんとボウガンに変化したのだった。矢の先っぽがハートマークになってるあたり天使だったんだなというのがうかがわせる。

 ラミュエルはボウガンを構え、一閃。ピンク色の光をまとったハートの矢が、ウェンカムイを貫いた。


「アタシの戦闘愛から生まれた愛の一矢! こりゃ効くっすよねぇ!」

「グガ……」


 ウェンカムイはふらつき始めた。

 体力あともう少し! ここまで来たなら削りきれる。オレは銃を構え、連射しまくった。あんなでかい図体だ。外すことはない。

 アマカケルも守りを捨てて斬りかかっていた。最後の最後はごり押しで削る。


 そして、ついに、その時は訪れる。


「グラァアアアア!!!」


 と、大きな叫び声をあげ、そのまま地面に倒れ伏せる。そして、ウェンカムイは光となって消えていったのだった。


「た、倒した……ぞ」

「いよしっっっ!!!」


 倒せたぜ!


《ホッカイドウのボス:ウェンカムイ を討伐しました》

《???:クナシリ島が解放されます》

《???:エトロフ島が解放されます》

《???:シコタン島が解放されます》

《???:ハボマイ群島が解放されます》










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ