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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
試される大地ホッカイドウ
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ウェンカムイ ②

 えぐられた地面がオレの鉄の翼に当たり、飛ぶ力を一時的に失ってしまった。

 オレは地面にまた墜落する。


「逃げることはできねェ。となると残された選択は一つしかねェな」

「ああ、戦う。戦って勝つ以外、生きる道はなし」


 二人というのが心もとないが。

 アマカケルは仕込み杖の剣を抜き、オレは銃を装備する。拳銃じゃなく、狙撃銃のほうを。少しばかりアマカケルに負担をかけてしまうことにはなるが、拳銃でちまちまと与えるよりかは遠くから狙撃してサポートもしたほうがまだいい。


「前衛は任せた。オレは遠くから攻撃する」

「任せたまえ! ウェンカムイに捧ぐ、おれの煌めくステージを。さぁ、ウェンカムイくん、始めようか」


 アマカケルは攻撃を仕掛けに行った。

 オレは最大限距離を取り狙撃する。アマカケルの突きは左目に突き刺さり、オレの弾は右目に着弾したようだ。

 ウェンカムイは大きくのけぞるが、多少怯んだ程度。その剛腕を振りかぶって攻撃してくる。


「おっと。気に食わない配役だからといって暴れるのはやめたまえ」

「まずは一発……!」


 オレはまた狙いを定める。

 ウェンカムイはまた再び地面をえぐる攻撃をしてきたのだった。えぐられた地面がこちらに飛んでくる。

 強引に飛び道具使ってくるそのパワープレイやべェよ……。オレは飛んでくる地面を躱し、また再び狙撃に入る。

 あんのクマ……。パワープレイだけど狙いもめちゃくちゃいいじゃねェか。だが、オレのほうが正確性は上だ。


 オレは再び弾を撃つ。

 オレとしてはあまり持久戦はしたくねェ。けど、この巨体なら体力も相当あるはずだ。長い戦いになりそうなのは覚悟しておかねェとな……。


「よっし、命中!」


 ウェンカムイは再び怯んだ。

 ウェンカムイの攻撃は基本的に大振りで躱しやすいのがまだ楽か。だが、一度でも当たったら即死レベルの攻撃だと思うので用心せねばな。

 オレはまた狙いを定めようとしたら、ウェンカムイはこちらめがけて走ってきたのだった。


「やべ、強引に距離を詰めてくるつもりかよ……!」


 オレは狙うのをやめ、全力で走る。

 オレ運動神経内から躱せる自信がねェ! こんな化け物フィジカルの魔物相手しようなんて無理がありすぎるんだよ! パワープレイをたくさんしてくるからフィジカル化け物だってわかるだろ!


 クソ、フィジカルで強引に突破してこようとする脳筋とは相性が悪いんだ……。もっと知的に戦えよ。


「しゃあねェ! 翼は回復したからなァ! 強引に距離を取るぜ!」


 オレはターボジェットを急いで使用する。

 マッハを超える速度にはさすがに追いつけないようだった。ウェンカムイは立ち尽くし、標的を買えたのか振り返ろうとしたとき。


「あまり下品でやりたくなかったが四の五の言ってる余裕はない!」


 と、お尻に剣を突き刺した。

 さすがに効いたのか、ウェンカムイは悲痛の叫びをあげる。


「処女喪失だな」

「メスのウェンカムイとは限らないだろうがね。童貞という可能性もあるさ」

「どっちでも変わんねェよ」


 オレは狙いを定め、撃ちまくる。

 さすがに肛門に剣を突き刺されちゃたまったもんじゃないようだ。オレはとりあえずバンバン撃ちまくっていた時、ウェンカムイに突然として異変が起きる。


「グアアアアアア!」


 突然、黒いモヤが現れたかと思いきや、ウェンカムイに集まっていく。

 そして、そのウェンカムイはどんどん肥大化していったのだった。


「……こんなのありかよ」

「これは勝てそうにないねぇ……」


 10m近くの大きさになっていた。

 オレらの10倍はある体格。変身や第二形態はお決まりだけどこんなのありかよ……。










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