表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
試される大地ホッカイドウ
71/137

☆ヲタクが守らなくては!

 私はパソコンを開く。


「今日も推しの配信あるのかな~? 楽しみだなぁ~!」


 と、動画投稿サイトを開く。

 すると、あなたへのおすすめの欄になにやらたくさんの人が試聴している動画があった。ライブ配信されているようで、同接300万とかものすごい数字だった。

 私は誰の配信だろうかと思い、クリックしてみてみる。


「……えっ」


 思わず声を漏らす。

 しばらく絶句してしまった。というのも、VTuberとかの配信ではなく、人を拉致監禁している映像だった。もろ犯罪。

 そして、その画面に映っていたのは。


「巽さん……?」


 何を隠そう、あのぼうはていP様。

 私の身近な人が犯罪に巻き込まれている……。助けたい、けれど私には力がない……。私は急いでコタローさんに電話を掛けるがつながらない。

 何度もかけているとやっとつながった。


「コタローさん!」

「わかってる! 今紫電家が総出で特定してる! さっき犯人からも電話があったからさ……。ライブ配信も今流してる」

「どどど、どうしましょう! 私にできることはありませんか!?」

「ない! 犯人の目的は金と因縁だし、当事者以外にできることはないよ……。今紫電家でも助けるために必死だからさ……」

「そう、です、か……」


 私は電話を切る。

 歯がゆい。何の力も権力も金もない自分が歯がゆい……っ!


 でも、私だってなんか力になりたい!

 特定できるものから特定してみよう。とはいっても窓はないから場所の特定は厳しいだろうけど……。携帯をたどろうにも犯人は携帯を真っ先に気を付けるべき対象としてみるだろう。

 私はライブ配信の映像を凝視する。弱っている巽さんの姿、その周りに何か特定できそうなものはないか探してみる。


 チャット欄もやばいだとかそういう声であふれていて、部屋に設置してあるテレビでもこのニュースが取り上げられていた。


「……おろ? ここちょっと変ですな」


 気になったのはちょっとだけめくれている壁紙。

 これ、もしかしてカラオケ店じゃないですかね? それに、この壁紙……私がバイトしている店にそっくりな気がする。

 ……乗り込んでみるか?


「私がぼうはていP様を助けなくては……」


 私は弟が使っている金属バットを手にして、カラオケ店に向かうのだった。

 カラオケ店には本日休業という文字が。個人経営だからとはいえ、今日は定休日ではないはず。私は裏口から入ってみる。

 そして、進んでいくとなにやら白く塗装されたものが窓の外に映っているのが見えた。


 私は勇気を出して開けてみる。

 すると、カメラが置いてあって、はりつけにされた巽さんが。


「いたああああああああ!」


 思わず叫んでしまった。

 すると、背後から声が聞こえる。武田の声だった。


「だめだよォ~。今日は休みでしょお?」

「た、武田君が犯人だったんですね! やりますかぁ!? を、をを、ヲタクだってやるんですぞ!」

「静かにしててねェ」


 と、武田は鉄パイプを取り出した。

 私は迷わず、金属バットを振り回し、鉄パイプをはじく。


「キエエエエエエエエ!!」

「おわっ!?」

「よくもぼうはていP様を! 推しは私が守るんだぁああああああ!」

「やめ、ろ……ヲタク……。人殺したらお前が……罪になる、ぞ……」

「そうでした! 取り押さえるだけにしますとも! 誰か警察に通報を! 住所は東京都……」


 配信しているのなら通報はまだ簡単ですな!

 配信してる自分の愚かさを恨むがいいですぞ! 私は金属バットを構え、ぼうはていP様を守るように立ちふさがる。


「来るなら来いっ! ヲタクだって推しのためなら命を懸けるのですぞ! そんな鉄パイプごとき怖くなぁあああああい!」

「クソ……てめぇのせいで計画が……」


 と、武田は鉄パイプを放り出し、逃げようとしていた。

 私はレジ横にあったペイントボールをぶん投げる。


「命中ですぞ! あとは警察に任せてとりあえず解放して差し上げなくては!」


 私はカラオケ店をくまなく探してみる。手錠の鍵とかどこかにないかなと思って。

 鍵のようなものは店長室の店長の机の引き出しの中に鍵があり、明らかに扉の鍵じゃなかった。そして、配信しているPCもある。配信を止めて、私は助けに向かった。


「ありが、とう……」

「こんなやせ細って……」

「警察だ!」


 と、背後から声がする。

 振り返ると警察官が立っていた。若い警察の人。


「人質の身柄確保! 逃げた犯人を引き続き……」

「て、店長はペイントボールつけておりますぞ! それと、これ顔!」


 ぼうはていP様の命、ヲタクが守りましたぞ!










このヲタク主人公か?

※実際に主人公の案にもなってたキャラではある

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ