WARNING!
クエストも無事終わり、とりあえず事務所に帰ることになった。
銃をしまい、帰路に着こうとした時だった。突然、何か頭の中にアナウンスのようなものが響いてくる。
《WARNING!》
というアナウンス。
そして、その瞬間、オレたちの目の前にはデカい機械の魔物がズドンと現れたのだった。
名前はアテナイの機械神という魔物らしい。見た目通り超強そうだし、魔物の上にはレベルも表示されるのだが、レベルが???となっていて未知だ。
「んだコレ……。イリオモテさん、なんか知ってるっすか……?」
「いや……僕もこういうのいるって知らない……。目撃証言がないし……」
イリオモテさんも知らねェ魔物って事かよ。
オレは再び銃を構える。が、勝てそうにねェとすぐに理解できた。
そもそも距離が短え。オレは狙撃手だ。
「……全力で逃げるしかなさそうっすね」
「そうだね! 走れ!」
オレたちは全力で走り出す。
そして、また。
《WARNING!》
という警告音。
逃げるオレたちの前にまた今度は違う何かが降り立った。ファンタジーでよく見るような魔物だ……。
そう、ファンタジーでは強キャラと書かれるものもあれば、はたまたラスボス、もしくは神に等しい生物のように描かれるファンタジックな魔物。
「ドラゴン……」
あれ、これ詰みかァ?
「後ろに機械神、前にブラックドラゴン!」
「もうこれ詰みじゃね?」
「すげえ悪運じゃん! 厄年なのがいけないのかな……」
「ドラゴンは襲いかかってきそうにもねェけど機械神の方はバリバリ敵認定してるっすね……」
機械神は飛び上がり、オレたちめがけてガトリングガンを放つ。
浴びせられる多数の銃弾。オレらは全力でかわし続ける。だがオレもイリオモテも全部避け切れるというわけではなく、何回か被弾して、防御がクッソ低いオレはすでに虫の息だった。
「クソ、何もできずに終われるかよボケ! オレだって反撃してやらァ!」
オレは銃を構えトリガーを引いた。
オレが放った銃弾は機械神のコアのようなものにぶち当たる。が、全然効いてないように感じた。が、機械神は一瞬動きを止めたかと思いきや、オレめがけて飛びかかってくる。
「うおっ!?」
「ラズリ!」
「オイ、てめぇそんなチェーンソーみてェなカッターで何するつもりだ……?」
身動きができねェ。
こりゃオレは死んだな……。と思い目を瞑る。切られるところなんて見たくねェし。
だが、オレが死んだというアナウンスも何もなく、聞こえてきたのは。
《機械神により改造が施されました》
《スキル:仕込みガトリング を取得しました》
《種族:改造された機械人形 となりました》
というアナウンスが。
オレは目を開けるとすでにそこに機械神はいなく、ブラックドラゴンがその場で大きなあくびをしているだけだった。
「あれ……」
「何が起きた? 殺さずに去ってったけど……」
「改造されたっつーか……。スキルを手に入れたんすよね」
オレはとりあえず使ってみることにした。
スキルを使用すると念じてみると、突然オレの腕が変形していく。
手のひらが腕の中にしまわれて出てきたのはガトリングガンのような銃口。
そして。
ドパパパパパパ!!
と、ガトリングガンが発射された。
「おわっ!?」
「いきなりやめてビビる!」
「ちょ、どうやって止めんのこれ! スキル使用停止って念じてんのに止めれねェ!」
オレは自分の腕を持ち上げ少しパニクった。
すると、ドラゴンの方にガトリングガンが。ドラゴンはギロリとオレを睨む。
その瞬間、弾がなくなったのかガトリングガンの発砲が終わり、オレの元の腕に戻った。
オレはドラゴンの方を見て。
「そ、ソーリー……」
「グラァアアアアアア!!!」
ドラゴンの大きな前足がオレを踏み潰したのだった。
なんで災難だよクソがっ……! ついてねェ……。なんか、ファンタジーフロンティアの時にあの女配信者と出会った時から運がないように感じてるのは気のせいか……?