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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
試される大地ホッカイドウ
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現実での邂逅 ①

 ライブは大熱狂に終わった。

 それと同時に、SNSではオレのギターソロの話題で尽きなかった。


『前座のギターの子うまかった……』

『あのクオリティやべぇな……』


 なんていう声が見受けられる。 

 そりゃ伊達に音楽を投稿していない。もともと音楽を始めたのは動画がきっかけで楽器を弾きだしたのが始まりだ。

 もともとロック系の音楽をよくたしなんでいたしな。


「すっっっっっごかったです!! ギターソロ! 私も見てみたかったですぅ!」


 ただいま現在、天堤 湯葉と現実世界で邂逅していた。

 現実で会うという約束を守るために来たわけだが。目の前の天堤はものすごく興奮しているようだった。


「なんであんなときに興奮して倒れちゃったんでしょうかね私は! でもでもでも、うれじいでずううううう! 目の前に……推しがっ! 神曲を作るゴッドハンドがっ!」

「そんな大層なもんじゃねェよ……」


 現実の天堤は黒い髪の眼鏡の女の子だった。

 学校からの帰り道なのか結構いいところの制服を着てカラオケにやってきた彼女。彼女は今現在、私立神之原学園しりつかみのはらがくえんという金持ち高の生徒なんだとか。あそこはお嬢様学校みたいなもので、コタローもそっちに入れさせられそうになってたな……。


「そんな奇麗な見た目なのになんでお前はそんな奇行ばかり……」

「見た目だけはいいですからねっ! 学園では大人しくしてますとも。学園一の美少女って言われるくらいには高嶺の花ですし、可愛いですからね!」

「今のお前を見たら全員引くだろうよ……」

「でしょうね! でもいいんです。こんな姿を見て引く人に私は興味ないですからねっ!」


 結構芯が強いなお前……。

 とりあえず、オレは作曲した新曲を聞かせることにした。ノートバソコンを開き、ヘッドホンをつなげて曲を再生する。

 天堤は静かに聞き入っているかと思うと、涙をつらーっと流していた。


「これが新曲……! いい……。なんていうか、すごくっ……いいっ……!」

「あとはイラストだけなんだが、イラストはまだ製作途中でな。また志島 夢乃っつーイラストレーターに頼んでんだわ」

「志島 夢乃……。Twitterで50万人以上のフォロワーを抱える超人気イラストレーターですね。あの子、私と同類だとにらんでます」


 お前鋭いな。同類だぞ。


「失礼しまーす。メロンソーダで……やややっ! 司さん!」

「噂をすれば……何してんの?」

「バイトです! 使っていた液タブが壊れてしまいまして……お母さんから借金して買ったんです。その返済のためにバイトをしてます!」

「それはお疲れさん……」


 悪いタイミングで壊れたんだな。


「ああ、紹介するよ。イラストレーターの志島 夢乃」

「えっ、いきなりご紹介ですか!?」

「あなたが……」


 天堤は小野寺の手を握る。


「私と同類っ……!」

「同類?」

「ぼうはていPのファンだという同類がっ……!」

「な、なんとーーーっ! 同類だというのですか! なんという奇跡! この出会いは素晴らしい!」

「ですです! Twitter見てる時から同類だと思ってたんですよ!」

「マジですか! 同類ならばフォローせねばっ! アカウントを教えてくださいな!」

「天堤 湯葉です!」

「あまつ……って超人気Vの天堤様ァ!? いつもファンアートを描かせてもらってますとも!」


 やかましい。

 紹介するんじゃなかったぜ。同類だから気が合うと思っていたが、合いすぎなんだよお前ら。うるせェよ。いくらカラオケボックスとはいえそこまで騒ぐんじゃねェよ。


「あああ、この空間尊い……。推しのVと推しのヴォカロPがっ……。えぐっ……ひぐぅ……生きててよがっだな゛ぁ゛」

「泣くほどかよ……」

「わかるよ。非常にわかる。泣いちゃうよね。涙出ちゃうよね……。私も泣いちゃう……」

「うっぜェこのノリ……」


 二人して泣くんじゃねェよ。











コタロー「これはお前が始めた物語だろ司」

イリオモテ「どうしたの急に」

コタロー「いや、なんかそうつっこまないといけない気がして」

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