アイスゴーレム戦
財宝がある空間が見えてきた。
以前来た時と同じように空間にポツンと財宝の山が置かれており、財宝自身がものすごく光っている。
「その宝を一つでも手に取ったら防衛システムが作動するっす」
「わかったよ」
リーダーはさっそく宝を一つ手に取ったのだった。
その瞬間、防衛システムが作動というアナウンスが流れた後、入り口をふさぐかのようにアイスゴーレムが再び出現したのだった。
この広いとも狭いとも言えない空間で、このアイスゴーレムと戦うのはきつい。だがしかし、アイスゴーレムと戦うならここしかない。ほかはもっと狭いからな……。
「さて、やりますか!」
リーダーたちは武器を構えた。
オレも構えるが、正直貢献できる気はしない。この狭い空間で銃弾は少々不利だ。そこまで距離を取ることができないしな。
アイスゴーレムはまず最初に宝を手に取ったリーダーに攻撃を仕掛けていた。その太い腕を振り下ろし、叩き潰そうとしていたが、リーダーが持つ大盾で防がれる。リーダーはその剛腕を押し返し、カウンターを食らわせていた。
「あまり強くない?」
「なら安心だ。クロウショット!」
ヴァルキリーさんは弓を放つ。
鋭い矢がアイスゴーレムの顔に突き刺さった。
「私回復魔法専門職だからダメージ追わないと何も役割ないのよねぇ」
「だからってのほほんと座ってみてるって……」
「いいじゃない。ヘイトを全然稼いでないんだから狙われないのぉ」
なにもしてないから狙われないよな……。
リーダーはアイスゴーレムの攻撃を受け止める。オレも戦いたいが、この狭い空間で銃をどうやって扱えと。
いや、戦う手段がないわけではないが……。
リーダーたちが応戦していると、アイスゴーレムの動きがピタッと止まる。
「なんだ?」
「第二モードに移行か?」
アイスゴーレムの顔からぷしゅーと煙が出て、どんどん体が赤く染まっていた。熱を発しているようで、周りの空間がどんどん溶けていっている。
「うおっ! 熱で溶かし始めたぞ!」
「氷が崩れる前にどうにかしないと……」
「じゃ、オレがどうにかしまっす!」
オレはターボジェットを使ってアイスゴーレムにぶつかった。
アイスゴーレムはその勢いを受け止めきれず、ずざざーーーーっ!と引きずられて、通路のほうまで押し出せた。
オレは勢いを殺さず、そのまま全速力でターボジェットをぶちかますと、壁にぶつかり、ぶつかった壁がどんどん溶けていく。
溶けて、砕けていって、気が付けばアイスゴーレムが貫通した道ができていた。
「ここまでくればあそこが溶けないだろ」
アイスゴーレムはまだぴくぴく動いていた。
どんだけタフなんだよと思いながら、オレは至近距離まで近づく。
「これで死んでくれ」
オレはガトリング砲を放ったのだった。
何発も、アイスゴーレムの体を銃弾が貫き、アイスゴーレムは元の色に戻ったかと思うと、目の光が失われたのだった。
「よし!」
オレらの勝ち!




