再度舞い戻る
防寒具を整え、再び大雪山に舞い戻ってきた。
大雪山の天候は晴れ。山の天候は変わりやすいからな……。オレは再び大雪山に足を踏み入れる。雪がしっかりと積もっており、天候はよくて視界も良好だとは言えど歩きづらいのは確かだった。
「クレバスに落ちないよう気を付けて。落下ダメージは相当なものになるから戦闘前に余計な体力を消耗しないように」
「気を付けるわぁ」
オレたちはクレバスに落ちないように足元に気を付けながら先を急ぐ。
あのクレバスの入り口はどこだったかな……。今回はライトを持ってきたので明かりには困ることがない。が、まずはクレバスを見つけないとならない。
どこがクレバスかわからない。クレバスに落ちないように気を付けつつ、クレバスを探す。
「こんな雪の中、急に踏み抜いちゃうわよねぇ」
「そうだねぃ。これはわからないわ」
あたり一面の銀世界。
雪が何もかも包み隠してしまった。
「場所に心当たりは本当にないのよねぇ?」
「オレが来たときは猛吹雪だったんで前後左右まったくわからなかったっすよ」
「吹雪の時は方向感覚を見失うっていうししょうがないよ。深いところをシャベルで掘ってくしかないね」
オレは大雪山を進んでいく。
結構な時間歩いていたから見つけたのは結構大雪山の奥のほうだと思うんだが。傾斜がきついほうに上っていったから一応頂上目指して登って行っていた気がするが……。
オレは考えながら歩いていると。ずぼっとまた再び雪に下半身が埋まってしまう。
「この展開……。離れろ!」
「えっ!?」
オレがそういうと三人とも一歩後ずさった。
その瞬間、雪が崩れ、クレバスがあらわになり、オレはそのまま雪に巻き込まれて落ちていく。オレは翼を広げ、飛び上がる。
「あー、ビビったァ。二度目だぞ」
「悪運が強いというかなんというか……。クレバス見つけたね。じゃ、降りていきたいけど……」
「かぎ爪ロープで降りていくってのもなんだか怖いわねぇ」
「行く時言っていた安全な入口を探してみる?」
「それだと吹雪いてきた瞬間にアウトだって防寒具のところで言ったでしょ。山の天候は変わりやすいんだから迅速に。少しリスクを冒すしかないよ」
そういって、リーダーはかぎづめを氷に引っ掛けてするするとロープを伝って降りていく。ほかの二人も覚悟を決めたのか、氷に引っ掛けてロープを伝って降りていったのだった。
オレは自前の翼でゆっくりと下に降りていく。明かりであるランタンを手に持ち、ゆっくりと。
そして、一番底についた。そこは太陽の光すら届かない氷の割れ目。
ランタン一つでは心もとないが、まだ見えるだけマシということだ。
「うひぃ、暗い」
「骸骨があるわね。はるか昔に落ちた人の亡骸かしらぁ」
「どっちに進んだんだ?」
「こっちだった気がするんすけど……暗くてあまりわからなかったっすからね……」
「じゃ、手分けしよう。俺とラズリさんはこっち、ヴァルキリーとラズベリーはそっちね。見つけたら連絡して反対方向に行くように」
二手に分かれて探索をすることになった。
オレがランタンを持ち、敵が出てもいいようにリーダーが前を歩く。
「これゲームじゃなかったら結構な冒険譚っすよねェ」
「そうだね。結構壮大な冒険だよ。エベレストに来た気分だ」
リーダーはそう笑いながらも先に進んでいく。
すると、左方向に通路のようなものがあった。
「ここじゃないっすかね。オレも通路のようなものを見て入ったんで……」
「ここだね。じゃ、連絡してあいつらが来るのを待つか」
リーダーは二人に連絡を入れた。
財宝を狙って再び舞い戻った。今度こそ財宝を手に入れてやる。
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