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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
試される大地ホッカイドウ
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アサヒカワ到着!

 夏休みに入った。

 夏休みはずっとゲーム三昧だー!と思っていたのだが。あいつらはまだタキカワに来ない。三日は待ってるぞ。学校でもどこら辺にいるのかと尋ねてもどこだろと返された。

 嫌な予感がする。そう思っていると一通のメッセージが届いた。


『迷った』


 と、クンツァイトから。

 

「この広大なホッカイドウで迷ったら探しに行けねェよ!」


 オレはもう一回死に戻ってサッポロからやり直せと告げた。

 しょうがねェ。アサヒカワにはオレ一人で向かうか。オレ一人なら空を飛べる分早いしな。オレは翼を広げ、空に飛びあがる。

 ターボジェットを使うときだけはクールタイムが必要だが、使わない時でも普通に長時間飛べるのはすげェ便利だ。


「結構空高く飛んでも大地全部見通せねェなァ」


 さすがに広すぎるぜ。

 オレはアサヒカワであろう場所めがけて空を飛んでいく。アサヒカワは目視する限りじゃなんだか石造りの建物が多い。ビルがない。

 アサヒカワも都会だろ? ビルとか相当あってもいいはずだ。となると、アサヒカワはもしかして魔法世界に飲み込まれたのだろうか?


 オレはアサヒカワに降り立ったのだった。

 アサヒカワといえば旭山動物園だろう。だがそれもきっとチバのゾウ王国のようになくなってるとみていいかもしれないな。

 にしても、本当にここ日本とは思えんな。


「よくある異世界の街並みだぞ普通に……」


 馬車が走っているし、なんならその馬車に貴族のような紋章もある。


「ここがアサヒカワ……。なんつーか、すっげぇオレの場違い感がパネェな」


 オレは全身機械だ。

 この世界とは似つかわしくない。


 オレはとりあえずアサヒカワの街の中に入っていく。

 地図をもらい、アサヒカワの地形を確認してみた。アサヒカワは貴族が統治する街のようで、サイオンジ公爵が納めている。

 もともとの魔法世界の主要な都市でもあったようだ。サイオンジ公爵の紋章は桜。桜の紋章の馬車はサイオンジ家のものだという。


「ふぅん……」


 日本といえど苗字は日本と同じっぽいな。

 西園寺……ねェ。オレは地図を見ながら歩いていると。


「泥棒ーーーー!」


 と、騒ぐ声が聞こえた。

 泥棒はまっしぐらにこちらに向かって走ってくる。オレはその泥棒の前に出て、技とぶつかって足止めしたのだった。

 泥棒はすっころび、奪った荷物が道路に放たれる。


「確保! 貴様! サイオンジ様の荷物を奪うなど言語道断!」

「クソ……がよぉ! 貴族ばかりいい生活しやがって……!」


 と、取り押さえられた泥棒は連行されていった。


「感謝する。貴殿は……未来の人か」

「そうっす」

「助かった。ありがとう」


 そう言い残し、投げ出された荷物を手に取りどこかに向かったのだった。

 なんかのイベントだと思ったんだが気のせいか? まァ、いい。この街を見て回ろうか…と思っていたら目の前に馬車が止まる。


「あなたが私の荷物を取り戻してくれた人?」

「あん? そうっすけど」

「へぇ……。あんた、面白そうな人ねぇ。ねぇ、取り戻してくれたお礼に私の屋敷に来ない? もてなすわよ」

「……行きます」


 イベントか? なにか起きるのか?









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