砂嵐
銃でエリマキトカゲを狙撃し倒していく。
オレらには目もくれていなかったが、仲間が倒されたことで危機感を持ったらしく襲い掛かってきた。オレらはモンスターを倒していく。
動き早いから近づくのも早え。オレにとっちゃあまり戦いたくない相手だぜ……。
「なんとか一掃できましたね!」
「エリマキトカゲがチバにいるなんて……」
「そもそもの時点でチバがこんな荒廃してんのがおかしいんだよ」
チバってトウキョウと隣接してる県だろ?
トウキョウとも近いから住んでる人も絶対多いんだよ現実では。でも、こんな荒廃しちゃって……トウキョウに近いとは思えねェ。
「とりあえずオアシスかなんかねェか探してみようぜ。街見つけねェとログアウトできんぞ」
「そうだね」
オレらは再びバイクにまたがり、砂漠を移動していった。
だが、天候がちょっと荒れてき始める。砂嵐が吹き始め、オレらに容赦なく砂嵐が襲い掛かってきた。
視界がとてつもなく悪い。
「砂嵐で前が見えないよ!?」
「早えとこ街見つけねェと」
「こんな砂嵐じゃ街なんて見えませんし方向がわからないですよぅ!」
くそ、チバに来るのはもう少し後回しにするべきだったか?
こんな砂嵐になるなんて誰も思わないだろ。オレらはとりあえず前に進むしかない。街の光さえ見えればいいんだが、そんなものが見えてくるはずもない。
くそ、自然界をなめてたぜ。
「とりあえずまっすぐ! まっすぐ進むぞ!」
オレらはまっすぐ進んでいくと。
「あ、なんか洞窟がありましたよ! あそこで少し休憩しましょう!」
「あの洞窟なんてチバにあったか?」
「魔法世界のものなんじゃない? とりあえず洞窟で休憩しようよ。さすがにここの移動は疲れる」
そういって、オレらは洞窟に入っていく。
洞窟は奥まで続いているようで、少し不気味な感じがしている。奥には何があるのかが気になるな。
……。
「なァ、奥行こうぜ」
「ええ? なんかいたらどうするの?」
「いたらいたでそん時だろ。こんな洞窟、探検しないってのはねェよ。砂嵐を回避するためだけに掘られた洞穴っていうわけでもなさそうだし、自然とできている洞窟っぽい。人間の手がそこまでくわえられてないから鉱山として活動しているような場所でもない。なにがあるかわからねェから探索するんだろ。ここが魔物がわくダンジョンだったらどうするんだ?」
「それもそれで困るね……。じゃ、まぁいってみる?」
「そうですね! 探検しましょう!」
オレは拳銃を取り出した。
さすがにいつも使ってる武器じゃこんな狭い通路内で戦うことはできん。オレにとって室内戦が一番不利を被る場所だ。
だがしかし、不利だとわかっていても好奇心は抑えられない。
「大体妙な話だよな。砂嵐で困っていたら洞窟が見えて来るなんて。なんかのトラップなんじゃねェかな」
「あー……」
「たしかに、都合が良すぎですね?」
「運がいいから偶然見つけられたか、それともこの洞窟は砂嵐で遭難している人たちを捕らえるために作られたトラップか……」
だからこそ、警戒は怠ることができねェ。
運がいいだなんて思えんしな。オレはそういう目にあってきた。あの忌々しい変態配信者とぶつかってから。
あの時なんでぶん殴っておかなかったんだろうか。




