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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
トウキョウ・カントウエリア
19/137

そして風になる

 オレはどうも男のような感じらしい。

 まァ自覚はある。エロビデオだってたまに見るし、昔から男の遊びが好きだった気がする。ゲームだって基本男プレイだ。


「オレって女の子に向いてねェなァ……」


 そうつくづく思う。

 んで、そう思いながらもオレはゲーム内でバイク屋を訪れていた。目的はもちろんバイク。移動手段はバイクのほうが小回りが利くため、買いに来たわけなのだが。


「バイクの運転の仕方とか知らねェぞ……」

「私も……」

「不肖、このオタクも……」

「君たち未成年だもんねぇ」


 オレら以外は運転免許証も持っているようで、学校で習ったという。

 オレらは通える年齢じゃねェし……。通えるとしても来年の冬休みからだ。エンジンのかけ方とか基本的なことはわかるけど標識とかなんも知らねェぞ……。

 

「まぁゲームだしそんな固く考えなくていいよ。車種は何にする? ゲームといえど結構あるよー?」

「たっか……。マジでなんでもいいんすか?」

「うん。好きなバイクで冒険したいもんね。奮発するよ」


 一台10万以上するぞ……。

 いや、現実と比べりゃものすごく安いけどそれでも全員に配るとなると結構かかるだろ。大型バイクなんかは50万とかするし。

 だけどまァ……好きなモンで遠慮しなくていいんなら……。


「これかなァ……。デザインとかものすごくそそられるぜ……」

「お、渋いの選ぶな」


 大型バイク。車種とかはわからねェけどこういうごついのオレ好きだぜ……。結構速度も出そうだしなァ。

 オレはこれでもいいかと尋ねるとリーダーは快くいいよと言ってくれた。ので、オレはこれにすることにした。


 ちょっと申し訳ないけどな。

 クランのメンバーが今は9人。90万以上は最低でもかかるっていうのに……オレは50万もする大型バイクを選んでしまった。

 これに見合った働きをしねェとな……。


「私はま、これでいっかなぁ。そこまでこだわらないし」

「ならばオタクもこれで……」

「こっちのほうがかわいー! ピンク色! これいいですか!?」


 と、各々も決めたようだ。

 バイクを購入し、とりあえず試乗してみることにした。オレは大型バイクにまたがる。片足がぎりぎりつくが、片足を地面につけるとバイクも少し傾く。

 直立させるとオレの足が地面に届かねェが……。まァ仕方ないだろう。


「リーダーそんな小さいのでいいの?」

「うん。僕も移動に使えればいいだけだし」

「リーダーなんだからもっとごついののらないと! 俺のと交換してもいいよ?」

「いや、これでいいよ」


 オレはエンジンをふかしてみる。

 右のハンドルをひねるとアクセル。これはなんとなくわかる。動かし方もなんとなくはわかる。テンション上がるぜ……! バイクってこんなかっけェのかよ!


「事務所まで競争!」

「未成年組は気を付けてねー。車通る中で運転って初めてでしょ?」

「そうです……。事故とか起こさないかな……」

「まぁ起こしたとしてもゲームですし? なんとかなりますよ! 不肖このオタク! バイクというものを前にして少し興奮しているので私もラズリ殿に続きます!」

「俺もー! 競争!」


 オレはバイクで飛ばしていく。

 この風気持ちいい……。ツーリングとかに出かけたい気持ちもわかるな。オレ、運転免許とったらツーリング行こうかなァ。バイク買う金はあるしな。音楽で食っていけるぐらいには稼げてるし時間もある。


「いやっほぉおおおおう!」


 オレは風になる……!












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