男の感性
オレらは高校二年生だ。
高校二年生といえばのメインの行事がある。
「修学旅行の班決め終わったか?」
修学旅行だ。
うちの学校は夏休みが終わってすぐに北海道に行く。なので、その時の班決めとかをしていた。オレももちろんいくので班を決める。
女子3人、男子3人で一班だ。
「小野寺、組もうぜ」
「は、はひっ! 推しの頼みであるならばっ!」
「あと一人はまァ……あっちから来んだろ」
そう言っているとコタローがやってくる。
「つかさんー、班一緒ねー」
「ん、ああ、小野寺も一緒だから」
「オッケー。じゃ、あとは男子だね」
男子っつっても……。
こいつ、めちゃくちゃ人気者だからなァ。見た目がモデル並みにいいし。隣に不良みたいなツラのオレがいても霞むぐらいには美人だ。
なんだろう、正統派美少女っていうの? 見た目がいいってずりぃよなー。
「紫電さん、よかったら俺らと……」
「おいエロ坊主ども」
「え、エロ坊主っていうな! そのことは秘密だろ!」
「秘密?」
「あ、いや、なんでも……。巽、ちょっと」
と、オレはエロ坊主……仁田たちと廊下に出たのだった。
「んだよ」
「エロ坊主ってあの人の前で言わないでくれー……。幻滅されんのは避けたい!」
「いや……あれももう知ってそうなもんだけど……。まァわかったよ。んで、今回、また覗くのか?」
「…………」
「覗くんだな……」
去年の林間学校で前科あるからなこいつら。
仁田、江口、坊田の三人は去年覗き行為して停学処分を食らってる。懲りたかと思ったら……。
「いいだろ! な? お前さんは直で見れるが俺らは見れねぇんだ!」
「そりゃそうだろ……。性別ってモンを考えろよ」
「頼むよ! 一度は夢見たっていいじゃん! 映像だけじゃ嫌なんだよ俺は! 直で見たい!」
「そうだ! 巽が協力者になってくれれば気づかれないで済むよな!」
「俺らの希望の星……!」
「馬鹿言うんじゃねェよ……。オレは別に気にしねェけど見つかったら今度は停学じゃすまねェと思うぞ? 高校生活をかけてやることじゃねェよくだらねェ……」
「女の裸には……! 賭ける命がある……!」
「こんな風に育てちまった親も大変だなァ」
この馬鹿たちはマジだ……。
その心意気を……買う理由もねェな。オレにメリットがなさすぎる。黙ってやることぐらいしかできねェ。
「オレにメリットなんもねェだろ。オレは直で見れるし。裸見たいんならオレの見るか?」
「見せて……くれるのか?」
「見せねェよー! 見せるわけねェじゃん」
「くっ……」
「ってかオレの裸すら見たがるって相当末期だなテメェら……」
男子高生ってここまで性欲強いものか?
三大欲求の性欲が強すぎる。
「そうだよな。お前も一緒のエロ仲間だから気づかなかったが女なんだよな」
「……ばかみたいなことするとマジで通報するからな。犯罪者ども」
「ま、まだしてない!」
「まだっていうんじゃねェ……。するつもりないと言えよ。絶対する予定だろお前ら」
そう話していると。
「何の話をしてるのかなー? 覗きする計画の話かい?」
「そうっす。こいつらが……オレの協力があればばれねぇって」
「ちょ、仲間売るつもりか!?」
「オレは協力するつもりねェんす。こいつらがそういって……」
「そう。わかった。じゃ、君たちは先生と行動しよっか」
「え、いや……」
「いや……? なにかなー。これ以上問題ごと起こしたら……君たちはどうなるんだろうねぇ。ただでさえ日常でも問題行動ばっか起こすからねぇ」
「……先生と行動します」
素直でよろしい。
オレは先戻ってると告げて教室に戻る。オレは女だからな。合法的にほかの女の子の体を見れるってわけだ。考え方がエロおやじだな……。
まァ、オレ自身、男の感性も割とあるし、なんなら気持ち的には男の子のほうに近いからそういう興味はある。
「何の話してたの?」
「エロ談義」
「変態」
「そんな目で見るなよ。オレは覗きするつもりねェよ」
「まぁ同じ女性だから覗きじゃないけどねぇ……。ほんと生まれる性別間違えてるよつかさん」
「オレも自覚あるよ……。男に生まれたほうがまだ生きやすかったぜ」
オレは席に座る。
「あ、男子メンバーも決まったよ」
「ん」




