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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
トウキョウ・カントウエリア
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ネッシー

 ヴァルキリーさんがログインしてきたのでオレらはクエストに向かうことになった。

 

「ちょっと難しいけどミナト区のネッシークエストに行こうか」

「ネッシーって今時……」

「ツチノコにまだ目を輝かせてるオカルトマニアもいるからねぇ」


 そもそもネッシーってネス湖にいるものだからネッシーじゃねェの?

 ミナト区の海にネッシーって。名称で言うならミッシーみたいなモンになりそうだけどなァ。まァ、とりあえず行くか。

 で、移動方法はもちろんあの転移装置だ。

 オレ、経験したことねェんだよな。


「っつーわけで、おなしゃーす」

「ではその円の中心に立っててくださいね」


 言われた通り中心に立つと、円が光を放つ。

 その光は徐々に強くなっていき、オレらをそのまま包み込んだ。その瞬間、目の前にいた人が別の人に代わり、転移が終わりましたと告げられる。

 本当に一瞬だな……。ワープってこんな感じなのか。


 オレは外に出ると、シンジュクの光景じゃなく、本当に港区のような感じのミナト区だ。ここは未来でも魔法でもねェ現代世界らしい。

 で、ミナト区のトウキョウ入国在留管理局の近くに謎の影が目撃されているのだとか。魔物らしいから倒してほしいという依頼。

 

「あそこにいるんです。船は出しますが……いかんせん謎の魔物なので至近距離には……」

「いや、ここでいいぜ」


 オレは銃を構える。

 とりあえず一発狙撃してみた。オレの放った弾がネッシーらしき影に当たった。本当にネッシーみたいな形。

 だがしかし、それで倒れなかったのか、徐々にこちらに近づいてくる。


 その影は、その姿を目視できるまで近づいたとき、姿が分かった。


「恐竜……!?」

「結構古いねぇ!? 恐竜なんて昔すぎるだろ!」


 エラスモサウルス。

 海の恐竜だ……。マジかよ。ゲームとはいえ恐竜をこんな間近で見ることなんてなかったぜ。だがしかし、魔物なら倒すのみだ。

 オレは距離を取る。


「ヴァルキリーさん! ちょっと任せます! オレは距離を取らねェとだめなんで!」

「俺も弓だから少し距離は必要なんだがわかった!」


 オレはエラスモサウルスからものすごく距離を取る。

 入国在留管理局の屋上に上り、オレはそこから狙撃することにした。下ではヴァルキリーさんが矢でちくちく攻撃しているが、その巨体にはあまり通じていなさそうだ。

 もっとも、オレの銃弾でも通じるかはわからねェけどな……。オレはスコープをのぞき込む。そして、銃弾を放つ。


 放たれた銃弾が、エラスモサウルスの頭を貫いた。さすがに脳天を貫いて、少し体勢を崩している。


 ヴァルキリーさんがすかさずスキルを使い、攻撃を加えて、エラスモサウルスは難なく倒れたのだった。


「っしゃあ!」


 オレはそのまま屋上から飛び降りて着地する。


「やりましたね」

「おう。銃はやっぱ威力たけぇな。弓涙目だぜ」

「でも弓も強い武器ですよ」

「俺がもっとうまけりゃなぁ。それより素材もらおうぜ」


 ドロップした素材を拾っていると。


「いやー! ありがたい! まさか古代の恐竜、エラスモサウルスだなんて……。助かりました。これ、報酬です」


 そういってオレらに金を手渡してきた。

 ざっと5万円。命を懸けた割にこの程度かとは思ってはいけない。


《キークエストをすべてクリアしました》

《ワールドクエスト:東京解放戦 が開始されます》


「今の……」

「キークエストだったみたいだねぇ……」









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