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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
トウキョウ・カントウエリア
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エレクトリカルなおみせ

 夜、オレはゲームにログインしてヴァルキリーさんを待つ。

 ヴァルキリーさんは今日の九時くらいに店を閉めるということなのでオレはそれまでトウキョウの観光(主に事務所があるシンジュク)を探検することにした。

 シンジュクといやぁ歌舞伎町とかだろう。夜の街。

 あとはオペラハウスとかそんなんがあった気がする。オレの活動範囲は基本的に世田谷区だからあまり知らねェんだけど。


 オレはシンジュクを歩いていると、なにやら未来技術屋という建物が目に入った。ビル群の中で、なんだかエレクトリックな建物。

 オレはそのエレクトリカルな建物に惹かれて、ついつい中に入ってしまった。


「イラッシャイマセ」


 店の中に入るとロボットが応対してくれた。

 ロボットが店員のようで、店の商品を見てみると未来人が使うような科学技術のものが置いてある。


「これ全部未来のもの?」

「ソウデゴザイマス。オキャクサマモミライジンノヨウデスネ」


 そういうと、ロボットは店の奥のほうに向かい、何やら一つ商品を持ってきた。

 パーツのようなもの。背中につけるのか、飛行機の羽のような形になっている。それってもしかしなくても空を飛べるようになるというパーツですか?


「コノショウヒンガオススメデス。”ホバーウイング”です」

「おいくら……?」

「7万円デス」


 お安い……。未来技術でそんなのお安すぎる。オレの手持ちが今現在7万ちょうど。技術ってすげぇ……。オレは七万を財布から取り出し、一括で支払った。

 無料で取り付けてくれるというので、オレは取り付けてもらう。背中に羽が生えた気分だ。スキルをゲットしたというアナウンスも聞こえてくる。飛行スキルゲットで、10分間自由に空を飛べるスキルで、使用後は10分のクールタイムが必要になるのだという。が、それでも空を飛べるのは嬉しい。翼が欲しかったんだ。蝋の翼ではないものが。


 オレは満足して外に出る。

 すると。


「おい、ラズリ……。お前その翼どこで……?」


 と、声をかけてきたのは同じクランに所属する、役職が戦車のたんくさん。たんくさんもオレと同じ未来のほうを選んだらしく、ビームサーベルとかを使うのだとか。

 たんくさんはオレの肩をつかみ、どこでそれを手に入れたかと聞いてくると。


「いや、この店で……え?」

「ここはただの一般民家だぞ……」

「いや、さっきまでは……え?」


 後ろを振り返るとエレクトリカルな感じじゃなくなっていた。


「お前、運がいいな……。その店はごくまれに出現する未来道具店、だ。どこに出現するかはランダムで、めったにお目にかかれねぇ……」

「そんなもんを知らずにオレが……」

「そのウイングは未来道具店限定のアイテムだと聞いた。というか、公式がそう言っていたからな……。お目にかかったのは初めてだが……。羨ましいなぁおい!」


 マジでか。

 オレって運がよかったりするのだろうか。


「未来道具店、公式はあるって言ってたけど本当にあるんだな……。都市伝説みたいなもんだといわれてたんだよ。お前やるなぁ! リーダーにさっそく言ってみようぜ!」

「結構テンション上がってないですか?」

「俺もそれ初めて見たんだ! テンション上がるだろ! 実際にあるんだから探したら出会える感じじゃねぇか!」


 あるということが確定したからうれしいのか。

 それにしてもあの店……。ごくまれに出現するものだったか。


「あれって魔法世界版もあるんですかね?」

「あるらしい。そっちも目撃情報はない!」


 ほえー。










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