62話 商人が来たらどうしたらいい?、金が人を引き寄せる
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さて、搾油機を買ったのだが、まだしばらくは使い道がない。クレールに1年程時間をくださいと言われたのだが、もう1年も経ったのか? 住宅が建ち終わらなかったのだが? 少し早いのではないか? まあ誤差だろうが。
油の花は咲くのに150日程だと言っていたので、まあ暫くは種の回収のみとなるのだろう。油に回すほどの種が足りないのだな。暫くはしょうがない。魔道具は来てしまったが、暫くは塩漬けだな。
塩を自給できれば後はいう事が無いのだがな。残念ながら自給できたのは砂糖だったからな。砂糖は余っているのだ。早く輸出したいのだがな。
クレール曰く、今全ての町に情報を行き渡らせているとの事だった。とりあえずは1度は情報を蒔いたという話だった。後はその情報を育てていくだけなのだが、商人が来るのかどうかだな。
来たとしても最初は零細商人からだそうだ。こんな情報に飛びつくのは大商人ではないとのこと。まあ売れれば問題がないのだ。魔貨で取引できればもっと良かったのだがな。
所詮は人間の通貨なのだ。我が国では価値の無い通貨だな。砂糖の価値もどのくらいになるのかの指標が今は何もない……と思う。クレールが知っているのかもしれんが。
クレールがいないときに商人が来ればどうするつもりなのだろうな? こういう時はナタリーに聞いてみるのが一番だな。今一番仕事が無いのがナタリーだからな。
散髪屋も育て終わったからな。すでに手を離れている。恐らくだが、手順やなにからを聞いていると思われる。私が把握していなければならぬだろう事も教えられているはずだ。
『ナタリー、時間はあるか?』
『どうされましたか?』
『もし商人が来たら、その時の対処についてクレールから何か聞いているか?』
『聞いておりますが、もしかしてご存じない?』
『うむ、詳しくは聞いてないな』
『はあ、それはクレールの落ち度ですね。謝罪します』
『よい。毎度聞かぬ私が悪いのだ。それでどうするのだ?』
『商人が来れば、城の方に連れて行きます。冒険者を雇ってくるでしょうが、冒険者は放置です。商人だけ居れば良いので商人を城まで連れてきます』
『うむ、私が運べば良いのだな』
『はい。それで砂糖とビッグモスの糸を取引に出します。砂糖は焼き物一杯につき金版5枚、ビッグモスの糸は1玉につき金版8枚で売る予定です』
『ふむ? 蜜はどうするのだ?』
『蜜は大商人が来るまで貯蔵します。魔蜂の蜜は焼き物一杯につきミスリル貨2枚、蜜鳥の蜜は焼き物一杯につきミスリル貨3枚で売りますから。零細商人では砂糖が限界でしょうから』
『ふむ。それで?』
『売り終わりましたら、商人を冒険者の場所まで戻します。そうして歩いて帰って貰います』
『簡易召喚はしないのだな?』
『ええ、送ってあげる必要はありません。自分たちで帰って貰います』
『ふむ。それで人は来るのか?』
『クレールは絶対に来ると言っていましたわね。何度も来るだろうと言っていました』
『勝算があるのだな。その理由は知っているか?』
『ええ、どちらもここではない場所で買った場合、ミスリル板で取引される量なので、確実に売れるそうですわ』
『ふむ? そこまで安売りしても良いのか?』
『それでいいそうです。問題なのは商人の数ですわ。なるべく多くの商人に来てもらわねば困ります』
『ふむ』
『商人から地方の貴族、最終的には国に話が行かなくてはなりませんわ。そのためには何よりも商人の数が物を言ってくるのです』
『貴族や国に知られるとどうなるのだ?』
『間違いなく攻めてきます。軍隊が来ると思いますわ』
『ふむ。成る程な』
『軍隊は良い装備で固めているでしょうから、質のいい鉄やその他の金属が手に入るかと。それにミスリルやオリハルコンがあれば良いと言った感じでしょうね』
『そうなる訳か。上手く行くのか?』
『流石にそこまでは解りかねます。クレールは勝算があるとのことでしたが』
『ふむ。まあ来なくても問題は無いのだがな。来てくれれば金属製品が沢山手に入るくらいか』
『恐らくですが、クレールの話では1度や2度では済まないと思いますわ』
『ふむ?』
『わたくしもその様に思います。人間が負けたままでいるとは思えません』
『成る程、定期的に金属が手に入るな』
『それと、お金が沢山ここに集まることを危惧すると思いますわ』
『ふむ? どういうことだ?』
『流通通貨が減ることを意味しますから。商人が取引すればするほど、ここにお金が貯まることになりますわ』
『そうなるであろうな』
『本来ならば動かねばならないお金がここに止まることになります。それでは経済が疲弊し、通貨に混ぜ物が増える結果になるかと思いますわ』
『ふむ』
『それを取り返すための戦争だと大義名分が通ってしまうのですわ。お金が沢山ある国だという事で攻められる事が多くなるかと思います』
『ふむ』
『そして、冒険者の数も増えるだろうと思われます。冒険者はお金があるところに行くと教わりましたわ。であれば、確実にここは狙いどころですわ。龍さえ倒せば大金が手に入るのですから』
『成る程、忙しくなると』
『すみません、カルネラ様』
『いや、構わぬ。どうせ来るなら多くても構わぬ。それにいい加減に咆哮で倒れぬ冒険者の相手もしてみたいとは思っていたのだ。今のままではゴブリンと戦うのと何も変わらぬ』
『……龍の咆哮を耐える冒険者が居るのかしら?』
『居ないのか?』
『飛竜程度の咆哮ならば耐えられるでしょうけど、竜の咆哮を耐える冒険者でさえ居るのかどうか』
『竜ですらか。竜は人間でも倒せると言っていたはずだが?』
『近衛レベルが大挙して出張れば、ですわ。竜災害は壊滅的な打撃を与えられますから……』
『ふむ。ましてや龍となると難しいと』
『そうなるかと思います』
人間ではどうにもならんという事か。龍の園で、1つの武芸に心血を注いだ者が、最高傑作のオリハルコンの武器を持った時には相手になる可能性もあると言っていたのだがな。そのレベルは居ないのか。少し残念だな。バトルマニアでは無いが、勝てる戦いしかしていないからな。
まあともかく、売る物はあるのだ。特に砂糖だけは大量にあるのだ。腐らんが腐るほどあるのだ。湿気も切っているからな。品質も問題ない。炭も同じ場所に保管してあるからな。
というかそもそも地下の空間は乾燥地帯なのだ。湿気ると思っていたのだがな。思った以上に乾燥している。原因は魔太陽だな。湿気が罠の穴を通じて出て行ってしまっている。
来るのならば来てくれても構わんが、解るように来て欲しいものだ。商人だと叫んでくれなければ解らんぞ。いつもの調子で咆哮をかます訳にはいかんからな。解りやすく来てくれよ。




