305話 オパールはあと少し、歯が抜けたぞ
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ああ、ゴブリンか。いつもと変わらんな。そして襲い掛かってくるまでがセットである。どうしてこうもゴブリンとは愚かなのか。別に愚かで無くても良いとは思うのだがな。
まあいつもの所に置いておくとしてだな。さてと、作業に戻るか。最近は来客が少ないからな。建築が捗っていい。速度的には大して変わらんがな。まあ気持ち程度という所だな。
そう言えば最近になって、フローラから進言があったな。何でも冒険者育成所の方が手隙になったそうだ。退役冒険者が教えるので私は不用になりつつあると。
管理はしてもらわないといけない。だから担当から外すわけにはいかんのだが、余裕があるそうだ。余裕があっても回す仕事が無いのだがな。特に回さねばならん仕事は無かったはずだな。
眷属に余裕が出来たことは良いことである。そのうち何かしらの産業が出来るであろうからな。それの面倒を見て貰おう。今はとりあえず、醸造所の担当と冒険者育成所の担当をしてもらってだな。
次の産業が何かが解らんからな。こればかりは運なのである。何か掘り当てなければならんのだよ。当てがある訳でも無いしな。何がくるのか解っていれば良いのだがな。
解らんから困るのだ。また宝石が出てこられても堪らんが。オパールとヘリオドールだけでお腹いっぱいである。まあもう少しでオパールは掘りつくすだろうと言っていたがな。
後10年か15年で掘りつくすようだぞ。思ったよりも短かったような気がするが。初めは200年物だと言っていたが、私が周辺を建材に使用したせいでどの位の埋蔵量なのかが解ってしまった。
解ったら後は掘るだけである。四方八方から掘りつくされて気が付けば掘りつくしていた。ざっと100年くらい経とうとしているのか? その位な気がするな。
オパールはとりあえず終わろうとしている。また出てくる可能性はあるのだが。同じような地層だからな。オパールが出てきても驚かんよ。他の何かが見つかる可能性もあるのだが。
ヘリオドールは何年分かは解らん。あっちの方は地下渓谷にあっただけだからな。まだ周辺を建材として利用していない。だから埋蔵量自体が解らんのだよ。3か所もあったからな。暫くは掘り続けられるとは思うがな。どうなるのかは知らん。
宝石は気まぐれなのだよ。それよりも、周辺の赤鉄鉱だ。そっちをどうにかしたいとは考えては居るのだが、黒鉄鉱ならまだしも、赤鉄鉱だからな。質が余りよろしくない。
それこそ、アイアンゴーレム産よりも質が悪い。黒鉄鉱ならば差別化出来るのだがな。赤鉄鉱ではどうにもならん。かといって建材として使うのもな。赤い部分が目立ってしまう。
どうしたものか。あの辺の土を掘るのは50年後くらいなものだが、50年後の私が何を考えるのかに寄るな。……案外何も考えずに建材として使って良そうな気がするが。
とりあえずは考えないことにする。どうせ先の話である。まだまだ時間的に猶予はある。その内に何かしら思い付くかもしれんし、思い付かないかもしれん。どっちにしても出たところが勝負だ。
漸くと、あの不自然な柱が取り除けるのかと思うと、感慨深い所ではあるのだがな。オパールの採掘場所の話だ。空中に浮かせる訳にもいかんからな。重力で落ちるのである。
落としたら絶対に怒られるのである。怒りと悲しみが籠った言葉を延々と聞かされるのだろう? 解っているとも。だからやらなかったのだからな。残して正解だっただろうと思う。
まあもうしばらくは居るのだがな。今度はヘリオドール採掘班に加わるだけなのだよ。あれもどうなのだろうな。どの位で掘り終わるのか。200年とは言っているが、盛った数字ではあろうからな。
『……カルネラ様、ちょっといい?』
『ブリジットか。どうかしたのか?』
『……これ、お土産。実家からの差し入れ』
『ほう、焼き菓子か。良いではないか。少し休憩にするか。他の眷属たちには渡したのか?』
『……クレールとシャノン以外には渡した。あの二人は当分帰ってこないからまた今度。後はカルネラ様の分。食べてみる』
『ふむ。……美味いな。だが硬すぎないか?』
『……ブリューネローザンの老舗の硬焼き菓子。普通はお茶やコーヒーで柔らかくして食べる。龍ならそのままいけると思った』
『そうか。まあ美味いのだから良しとするか。……ん?』
『……抜けた?』
『どうやらそうらしい。生え替わりの時期なのか知らんが、1本歯が抜けたな。だがしかし、人間状態で抜けても大きさは龍の時の大きさに戻るのか。何分初めての事だからな』
『……高く売れそう?』
『売れるのか? 歯だぞ?』
『……龍の体に無駄な物なんてない。多分歯も何かしらに使えるはず。聞いたことが無いけど』
『ふむ。まあ何でも良いが。後で拾っておくか。クレールに相談するとしよう』
『……何に使うか気になる。売れたら教えて欲しい。後学のために』
『解った。伝えるとしよう。しかし、歯が抜けるとは思わなかったな』
『……うちもびっくり。硬焼き菓子の効果。龍の歯も抜けるほどの硬さ』
『偶然だとは思うがな。しかしそうか。生え替わりがあるのか。自分の事ながら初めて知ったな』
歯が抜けるとはな。売れるというのなら売るが、何に使うのだろうな? 大抵の物よりは硬いと思うのだが、どうなのだろうか。その辺は一体どう使うのかに因るだろうな。
まあ硬焼き菓子は美味かった。流石の味だとは思うが、柔らかくするのを前提とした菓子もどうなのかと思うがな。あれは人間には受けが悪そうだ。長話のついでに食べるものなのだろうな。




