26話 第一城下人、人間を管理するのは大変だ
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ともかく役所は作り終えた。……1階部分だけな。今は学校を建設中だ。こっちも1階建てだな。そのうち5階建てにする予定ではあるが。今は基礎を作って少し建てた所だ。一応機能する。これだけでも当面の間は問題ない。
『カルネラ様、準備が出来ました。いつでも飛べます』
『うむ、では飛ぼうか。後は私がここに飛ばせば良いのであろう?』
『その通りです。では行きます』
簡易召喚で座標に飛ぶ。呼ぶことは1日に数十回もあるが、呼ばれることは初めてだな。初めての経験である。面白いものだな。何かに引っ張られる感じがする。そして無事に転移した。
「おお、悪魔様が来よった。本当に助かるのか?」
『ええ、助けますよ。これで全員ですか?』
「ああ、これで全員だ。家財道具は何もかも持っていっていいんだな?」
『問題ありません。何もかもを持っていって問題ありません。カルネラ様、お願いします』
『うむ、では飛ばすぞ。安心しろ。一瞬で行く』
簡易召喚で城下に移動する。呼ばれるよりも行く方がスムーズだな。何故かは知らんが。感覚的な物だからな。永遠に解らん気がする。
「……ここは何処だ? 明るいが、洞窟の中……で合っているのか?」
『ここはこちらのカルネラ様の城下です。貴方たちが生活する土地ですよ』
「地中で過ごすのか? 農地はどうする?」
『農地はさらに地下にあります。見に行きましょう。カルネラ様』
『うむ、付いてくるがよい』
20mもある大階段を降りる。……息も上がっていないな。この程度は日常茶飯事という事か。なればこの農地も上手く使ってくれるだろう。
「なんだここは……」
「向こうには森もあるぞ」
「なぜ地中に緑があるのだ?」
『ここはカルネラ様が作られた空間です。今もドンドンと広げられています。貴方たちにはここで農業をしてもらいます。服を作れるものは森に入ってビッグモスの繭を採取してもらいます』
「ここで農業をすれば良いのだな。それで、税はどうなるんだ?」
「税が高いのは嫌だぞ。もうあんなのはこりごりだ!」
「そうだそうだ!」
『税は無税です。ここでは税は取りません』
「なん……だと……」
「無税! そんな事があるのか!」
『もう一度言います。税は取りません。その代わり農作物を売って貰うことになります』
「……どういうことだ?」
『カルネラ様は貴方たちの農作物を買うと言っているんです。安く買い叩きますが、作れば作るほどお金になります。それで貴方たちは服や道具などを買うんです』
「服や、道具を、買う? 何処に売っていると言うんだ?」
『服は貴方たちの誰かが作ります。作ったことのある人は手を挙げてください』
何人かの手が挙がる。クレールの話しか解らんが、服屋をやらせるやつの選定だろう。協力するもよし、競うも良しだ。その辺は好きにしてくれればいい。
『今手を挙げた人には服屋を開く権利を与えます。自分で服屋を運営してください』
「だが、最初の金はどうするんだ? 言っておくが、村の人で金を持っているのは村長くらいだぞ?」
『持ってきてもらった麦を買い取ります。まずはそれを初期資金にしてください。税で納めていたもので構いません。それを買い取ります。それと、今までのお金は使えませんので、両替をします。それぞれ、今あるお金は役所に持ってきてください』
「役所とはなんだ?」
『では役所に行きましょう。カルネラ様移動です』
『うむ』
役所に行くのだな。カトリーヌが詰めているが、そのうち教育した人間に運営させる予定だ。もちろん給料も出す。不正は許さぬし、させる気も無いがな。
『ここが役所です。……上に上に増築予定ですが、今はここが役所です。ここでは住民登録をしてもらいます』
「住民登録とはなんだ?」
『誰が何処に住んでいるかの記録を取ります。死んだら家族が死んだとの届け出をしてください。役所はそう言ったところです。後は麦や農作物の買取もやっています。しかし、住民登録をしないと麦の買取は行いません』
「それは何故だ?」
『今、何人の人間が居るかを数えるためです。赤ん坊が産まれても産まれたとの届け出を出すように。でないと自分の子供が住民と認知されません』
その他色々なルールを教えていく。トイレもちゃんと使う様に教育した。その辺でしたら駄目だからな。教育を施した子供から清掃員も輩出するが。もちろん給料は出す。汚物を放置するのは犯罪だと認知させるのだ。
スライムを徘徊させるという事も考えたのだが、危険すぎるという事で諦めたのだ。……あいつらは人間も時間があれば溶かすからな。そして、人間でも簡単に倒せるからな。それでは問題がでる。
ともかく悪魔らしさが出ているな。ルールが多いのが悪魔式である。天使は奉仕、悪魔は規則、それが付きまとうのだ。天使の奉仕は面倒らしいがな。奉仕される側にもそれなりの対応を求めるそうだ。悪魔のいい分なので何処まで正しいのか知らんが。
ともかく、ここの城下町ではルールがあるという事だ。守るべきルールがある。基本的には意識しないでも良いものだがな。肝心要の所は決めた。汚物の扱いについてなどだな。清掃員は暇な方が良いのだよ。暇な職業もあっていいと思う訳だ。……暇は敵だが、仕事が暇なのは別にいいではないか。
私は忙しい方が好みだがな。暇は嫌である。もう龍の園のような生活は嫌である。それなら体を動かしていた方がいい。息抜きはしているぞ? よく眷属召喚をやっているからな。
『解らないことがあれば、役所で確認してください。日付からルールまで何でも答えます。昼と夜が解らないのはしょうがないと思ってください。地下ですので』
まあ、ここで全てを答えることも無理だからな。基本的なルールさえ守れば問題無い訳だ。後は人間の自由にするがよい。城下が発展してきた方がいいので、ドンドンと発展していって欲しいが。
こんな所か。ぞろぞろと解散していったな。自分の家を自分で決めるために。……どの部屋も一緒だからな。同じに作ったのだ。どれを選んでも変わらんよ。
1階か5階かくらいではないか? トイレも各階層に5つほど用意をしてある。十分だろう。間に合わなければ知らんが。洗濯などの水関係は堀の側に地下水をくみ上げる魔道具があるからそれを利用すればよいし、問題は無いと思われる。
各家に、水瓶の桶は用意したからな。水を汲む行列が出来るだろうが、それは仕方がない。水場は堀の所にしかないのだから。水源がそもそも少ないのが問題だな。そのうち、水道も這わすか?
そこまでやる義理は無いか。水も地下の岩盤を突き破って確保しているから無限にあると言っていい。安全性はすでに確認済みだ。小悪魔でだが。人間でも問題あるまい。
さて、一つ目の村でこれだったのだ。毎回やるのも面倒だな。仕方ないが。後5つあるのだったな。これが後5回か。面倒だが、やるしかあるまい。人間の教育が行き届くまでの我慢だ。100年もあれば世代が変わるというし、直ぐに大丈夫になるだろうがな。




