145話 運の悪いジルバルク王国、祭りの準備だ
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建てども建てども入居者がやってくる。もう少し何とかならんのか。なんともならんからこういう羽目になっているのだがな。もうすぐ9万5000人を突破する勢いだぞ。
とうとうジルバルク王国からも難民が来てしまった。……何故だ? あそこは今は比較的平和ではなかったのか? 全く理解が出来ぬ。どうして難民が来るようになったのか。
実はそう難しい話ではないのだ。シャノンから報告を受けたからな。まあ不幸の連鎖という感じなのだ。偶然に偶然が重なった結果なのだよ。
1つ目の原因はラフィエット王国の密偵がジルバルク王国にも噂を流していたという事なのだ。何故流していたのかというといろいろと理由がありそうなのだが、その辺りははっきりとしていない。
ただ、解っていることはジルバルク王国側にも噂は流されていたという事実である。本来ならば空振りで終わるはずだったのだ。
2つ目の原因はジルバルク王国内の内紛である。内紛が起こり、貴族家が崩壊したのは記憶に新しいと思う。山脈側の町では関係なかったのだが、その周辺の貴族が好戦派だっただけだ。最近になって鞍替えしたらしい。
そう、何もなかったのである。ただ貴族が好戦派であっただけなのだ。少し前までは穏健派だったのだが、当主がちょうど亡くなり、後継者が鞍替えをした。それだけのはずだったのだ。
好戦派貴族たちは町を維持している。ちょうどいい感じに好戦派派閥を増やしたのだからな。当然のように軍拡をした。兵士もたくさん雇用したし、再訓練もさせた。装備も整えたのである。当然のように金がかかる。
3つ目の原因、ジルバルク王国の好戦派の多くが金が無かったのである。自分たちの領地もそもそも軍に金を使っていて金はそんなに持っていなかった。
そうして、乗っ取った町にも金が無かった。何の事は無い。自分たちで煽ったスラム民が持ち出したのだから。その辺は自業自得である。
しかしながら軍拡はせねばなるまい。無理を承知で軍拡をした。好戦派の貴族から借金をしてまで軍拡をしたのだ。そこまでしなければならないのかとは思うのだが、しないといけなかったんだろうな。なぜかは聞くな。知らんのだから。
そして最後の原因、最近鞍替えをしたばかりの我が領周辺の町、当然のごとく金は使った後。しかしながら新参者として借金をさせてくれと頼まれれば断れない。恩は売っておきたいからだな。
しかし、自分の所にも金が無い。ならば増税をしよう。そうなった。戦時中でもないのにも関わらず、重税が敷かれた。農民はとばっちりである。
そこにある噂が最近流れてきたではないか。何でも楽園があるそうではないか。重税で苦しむくらいなら逃げた方がましかもしれない。そう思った村があっても不思議ではない。
以上である。偶々偶然が積み重なったがために起こった離反である。結果、また内部が荒れ始めたのだから最悪である。特に今回は農民の離反だ。これを何とかする手段を持ち合わせてはいなかった。
農村に送る人材も不足している。スラム民が殆んどいなくなってしまったのだ。農村の復興すらできないのだ。悪いことは続くのである。
我が国にとっても、とても悪いことである。難民の数が加速し始めたのだから。来年には10万人に達する見込みである。喜ばしいが、嬉しいことではないな。
急激に増えることは問題もはらむのだ。何とかしないといけないのだろうが、何ともならんから質が悪い。もうすぐに10万人か。祭りが始まるな。
回覧板でお知らせをしたかったのだがな。回覧板が機能していないからな。回るところと回らない所があるのだ。さて、どうしたものか。こういった事態で10万人を迎えるとは思ってもみなかったからな。
まあ収穫の後にする祭りだ。そのうち気が付くであろう。酒は酒屋から買ってやろう。こういう時のための酒だ。魔界からも買うが、地産地消である。あるだけすべて買ってやろう。事実、飲めれば変わりないやつらが多いのだ。
露店の手配はブリジットに任せよう。役所の人員を使って料理を作らせよう。金はもちろんとるぞ。そいつの収入にすればいい。努力した分は持っていけばいいのだ。
全く、急に始まることになるのであれば、喧嘩相手を探す方が難しいぞ。ルールは無用で審判だけはつけるが、決着がつくのか怪しい試合は止めないといけないしな。
何も準備はしていなかったのである。眷属たちに話は通してあっただけマシだな。まさかこんなに早く10万人に達するとは思わんだろう?
後40年ほどはかかる予定だったのだがな。恐らく来年か、遅くとも再来年には10万人だ。祭りはやるぞ。有言実行だ。何回かやる内に慣れるだろうさ。気楽に考えていこう。
役所の人員は足りているだろうか? 結構な数を雇っていたはずだがな。面倒ごとの処理から何まで役所の職員に押し付けてきたからな。結構な数がいるはずだ。風呂屋の店番も役所の職員だったか。
なに、問題しかないが、最初はグダグダでも良いではないか。最初からうまくやれるとは思っておらんよ。慣れればそのうち何とか解るようになってくるだろうさ。
他の所からの難民も減らぬし、……いや、減ってはいるのだがな。アンベマリノ王国とブロンリック王国の難民は減ってきている。ラフィエット王国の難民は増えているが。全体的にはトントンだな。
まあなるようになるであろう。心配しても仕方がない。恐らくは再来年になるかと思われる。大分急いでの準備となるが、まあ問題は無いだろうさ。
ともかくいろいろと準備が必要である。簡易テントなども用意しないといけないだろうしな。また出費か。税金収入が多少なりともあるのが幸いしているな。自主納税だが、税金を納めてくれている人も少なくないのだ。金の使い道があまりなかったからな。
またビッグファングボアでも落ちてくれば黒字である。たまに落ちてくるのは変わってはいない。ゴブリンも売っていることだし、そんなに財政的には困ってなかったりする。
困ったら飛竜を狩ればよいのだ。気楽で問題ない。さてさて、10万人はいつ頃達成するのであろうな。こうなれば早い方が良い気がしてくるな。気がしてくるだけだが。




