109話 ブロンリック王国の勝利、風呂屋で問題があるではないか
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結局の所、準備という準備は必要ない。私の仕事は住宅を建てるだけだ。それこそが一番の対策なのだから結果良いのではないか?
アンベマリノ王国とブロンリック王国の入植競争は終始ブロンリック側が有利な盤面を作り込んでいる。相当急いで用意したのであろうが、よくもまあ広げたものだな。掘っ立て小屋も既に建ち始めているのだ。かなり周到に準備していたのだろう。
入植競争で言えば9対1だ。圧倒的だな。暫くしたら戦争だな。アンベマリノ王国から仕掛けるであろう。それが私とクレールの予測だ。まず間違いなく仕掛けるであろう。
入植競争において武力を使わないという条約は結ばれていないとのことだしな。まず間違いなく仕掛けるであろう。それで負けると。何年かけるかは解らんが、負けるのは確定している。
そうそう長くも持たないがな。継承争いをしている最中なのだ。戦争でひっくり返したいというのなら、攻めるしかないのだよ。戦場が決められている以上、守る側が有利だ。
戦場を選べるのならば攻める側が有利なのだがな。守りの薄い側を狙えば良いのだから。しかし、大義名分的には戦場は選べんだろう。守りの硬い地点に攻め込むしかない。
まだ戦争にはなっていないがな。まあ直に戦争になる。内紛状態も解消していないことだしな。予想が出来ている分、対応手は多いであろうな。
しかし、ブロンリック王国は上手くやったものだな。見事な流れだった。殆どを領土内に引き入れたからな。倒せる戦力を用意してからの入植までが本当にスムーズだった。
アンベマリノ王国側はそれどころでは無かったからな。それをやったのもブロンリック王国側だと思われるが、結果上手くいっているのだから素晴らしいな。大人しくしてくれるのであればもっと良いのだが、アンベマリノ王国が大人しくしてくれる訳がない。
まあ離反は避けられるであろう。そんな事態にはならんと読んでいる。アンベマリノ王国側も流石にそんな事はさせんだろう。離反した先はブロンリック王国であろうからな。
アンベマリノ王国が割れることは無いだろうが、結末は酷いものになるであろうな。次の王が余程有能でない限り色々と難しいであろうな。
まあ我が国には関係ないのだがな。難民が来ない限りは。少しばかり遠いから今回は大丈夫であろう。前回のような事にはなるまいよ。流石に対策を取るであろう。
我が国の内政事情的には受け入れても問題はないのだがな。まだまだ広さはあるからな。住宅も余っているし、問題はなかろうよ。肝心の鉄も入って来ていることだしな。
足りないものは現状無いのだ。欲を言えばあるのだが、塩はな。何ともならんからな。何ともならんものは仕方がないのだ。
そんな訳で、内政は順調である。白磁器も割と数が揃ってきている。まあ骨の入手が限定的なのが頂けないが、骨を頻繁に手に入れるには陸鳥を殺さなければならない。増えすぎても問題だが、減らすわけにも行かんのだ。その辺は考えねばならん。
絵付きのものも出回る様になって来たしな。これも1つの芸術であるからな。良いものは良いと褒めて伸ばすのが我が国のやり方だ。駄作を褒めても仕方ないしな。
売れ残るものは仕方がないだろう。感性が合わなかったのだから。芸術とはそういうものだ。何時何時どのような物が流行るのか解らんからな。
内政は充実している。しているはずだ。私には足りないものが無いように感じる。しいて言えば娯楽ぐらいか。……そう言えば風呂屋はどうしているのだろうか。聞いてみるか。風呂屋はブリジットが把握しているであろう。聞きに行くか。
『ブリジット、風呂屋はどうしている?』
『……繁盛。ただし半分くらい』
『ふむ? どういうことだ?』
『……こっちからは結構遠い。入らない人間も多い』
『問題ではないか。速やかに反対側にも作らなければならぬな』
『……問題までは行ってない。娯楽なだけだから』
『多少の娯楽は生活には付き物だ。他にも娯楽が無いものか考えているのだがな』
『……娯楽は時間とお金がかかるもの。中々難しい』
『うむ。であるから何か良いものがないかと思案しているのだ。ブリジットも何かないか?』
『……読書。暇つぶしには丁度いい』
『ふむ。そうなると作家が必要ではないか?』
『……そう。ニートにも勧めている。でも書き物に向いたニートが居ない』
『ふむ、条件とはどのようなものだ?』
『……想像力の豊かなものか妄想癖のあるものが良い。物語とは空想な物。現実に近い話しか書けないニートは作家には向かない』
『ふむ、ジャンルの問題では無いのか?』
『……まずは空想の出来事を書く方が良い。現実論は学者の領域。……日記物でもいいけど、それは遠くの別のところで育った者の話であるから面白い。生活を共有している者の日記は読み返しても共感しか産まない』
『ふむ? 共感が産まれれば良いのではないか?』
『……いけないことはない。でも逆に文章力が必要。共感を呼ぶためには文章力が無いと無理。それに読み手側の教育も必要。日記物はまだ早い』
『成る程な。ある程度の教育がないと日記物は流行らんと』
『……そう、それに書くのはニートの一日、誰の共感も産まない。共感するのはニート同士。それでは駄目。メインのターゲットは女性になるだろうから』
『ふむ? 何故に女性になるのだ?』
『……女性の方が時間がある。男は基本畑にいる。鍬を振っている。家事の合間に読める女性の方が時間はある。だからターゲットは女性。共感を呼ぶにしても家事をしている必要がある』
『ニートは何もしていないから無理であると。日記にもならんという訳か。難しい話も学者の様なものになってしまうし、現実に則した物は無理か。だが空想の話を書くのも難しかろう?』
『……難しい。妄想癖が激しい方が良い。エロも可。でもそれも空想になる。だから作家は難しい』
『ふむ。作家と簡単に考えたが色々と条件があるのだな』
『……そう。起承転結が書けるものがまずいない。それがないと物語が完結しない。無い作品も無くはない。でもそれを書くのもまた才能。まずは基本を押さえさせる』
『ふむ、作家も難しいのだな』
『……難しい。甘めに採点はしている。それでもまだいない』
ふむ、手軽な趣味だとは思うが、作家が必要となってくると話が違ってくるな。作家も才能か。中々いないのではないか? 起承転結など意識しても書けない自信があるぞ。
何か手軽でいい娯楽は無いものか。とりあえずは風呂屋を追加するとしてだ。これは確定事項だ。風呂は娯楽だ。貴重な娯楽なのだ。風呂場で洗濯は許さぬがな。
何はともあれ、何か良い娯楽は無いものか。……なかなか見つからんのだよ。ギャンブルなどは手軽なのだろうが、金持ちでないといけないからな。何か良いものは無いだろうか。




