100話 戦争も少しは落ち着いた、鉄を人間から買おう
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漸くとこれで外壁が閉じ切った。6年がかりの大仕事だったな。これで住宅を作れる場所の確保が成った。……まずは既存の外壁に穴を開けるところからスタートするわけだが。それは直ぐに終わる。ぶち抜けば終わりだからな。ぶち抜くのが大変な強度で作ってはいるのだが。
難民はあれ以降激減した。殆ど入ってこなくなった。まあ当然であろうな。外の惨状が惨状だからな。酷い戦争であった。何が楽しくて戦争をするのか。
一応はラフィエット王国とアンベマリノ王国は停戦した。恐らくだがアンベマリノ王国が賠償金を支払って今まで通りの国境線に敷き直した感じだな。一応は町2つ分程食い込んでいたからな。
どうやって情報を仕入れてくるのか知らないが、シャノンがそのように言っていた。賠償金はかなりの金額をふんだくったそうだが、それ以上の禍根が残った感じだな。今は両軍国境線にあった砦に籠っての睨みあいだそうだ。補給が大変そうだがな。
そして農村には旧スラム民が入植している最中である。開拓競争にはならなかったか。魔物の領域も増えずに終わるのであろうか。というか砦があったのなら農民の離反を止めろよ。そして、徴兵兵の侵攻くらい止めろよアンベマリノ王国。
まあ腹ペコでそれ以上の迫力があったんだろうけどな。一度砦が落ちてるんだから。良く破壊しなかったよな。……破壊が間に合わなかったのか? その辺はよく解らんな。
もしかしたらラフィエット王国はしてやったりで終わったのかもしれんな。無茶な徴兵をやったのはアンベマリノ王国とブロンリック王国の情勢を読み切ったとしか思えん動きだったからな。要らない人間を処分しつつ賠償金を得ることに成功したのだ。今度こそ内政に力を入れるのかもしれん。
こっちは落ち着きを取り戻しつつあるとはいってもラフィエット王国だけなのだよな。アンベマリノ王国は植民も済んでいない。荒れ地が広がるばかりだ。……本当にラフィエットがしてやったとしか思えん成果なのだがな。
アンベマリノ王国の問題はブロンリック王国の方面だからな。こっちに総力戦を仕掛けているのだから。まあ総力戦を仕掛けているのはブロンリック側もなのだがな。
こっちの戦線は膠着状態から動きもしない。かなりの兵数が失われているものの、スラムや農村から徴兵を行っている効果だろう。死体が積み重なることがあっても、戦線が崩れることはない。
だが、周囲は死体の山だそうだ。人間の死体は毒にしかならないから悪魔も必要ないのだよな。しかし、魔物に襲われないのだろうか。まあ魔物に負けるような軍隊では恰好が付かぬがな。
しかし、アンベマリノ王国もブロンリック王国も先細りだな。総動員などかけるものではない。内政を放り出して行う侵攻など愚策でしかない。停戦もやむなしだとは思うのだがな。こうなるとどちらの側も成果が無ければ停戦などせんからな。もしかしたら行くところまで行くかもしれんな。
どちらが有利かといえばブロンリック王国の方だとクレールは言っている。継戦能力はブロンリック王国の方に軍配が上がりそうだと言っていた。まあそれで計れるのかどうかは解らんがな。
『カルネラ様、ちょっとええか?』
『ふむ、なんだ?』
『やっぱ鉄が少ないな。人間から鉄を買えへんか?』
『人間からか?』
『せや、商人なんやったら仕入れられるやろ? 出てくときは全部鉄を買うんやからプラスにしかならへん。向こうも損せん。ええ話やと思うんやけどな』
『ふむ、商人から鉄を買うのか。まあ問題は無いな。必要分以上はこれ以上は暫くは買わないと言ってやれば良いか』
人間から買うのであれば、砂糖の値下げをすれば問題無いな。鉄と砂糖ならば砂糖の方が値段が高いことは私も解っている。まあ向こうに得をさせてやれば良いだろう。人間の金には困ってないのだ。
『そういう訳やな。どうせ人間の金は余っとんのやろ? 砂糖を売っとんのや、そんなに変わらんて』
『ふむ、それならば問題無いだろう。鉄の分、砂糖の瓶を1つか2つか交換すれば向こうも元が取れるであろう。砂糖で暴利をむさぼっていそうだしな』
『こっちは石鹸で暴利をやっとんのやろ? 一緒や一緒。儲けたと思た方が勝ちやねん』
鉄の仕入れを人間側でやるのは思い付かなかったが、確かに問題はなさそうだな。これならクレールに相談せずとも良いだろう。砂糖の価値は解っているつもりだ。
……鉄の価格も上がっているのであろうがな。戦争中であろう? 鉄の価格も上がるのは解っているが、砂糖程ではないと思う。砂糖も飽和するとは思うのだがな。売り先は色々とあるだろうからな。
行商人では無理でも大商会であれば国外にでも捌けるであろうからな。まだまだ砂糖の売り先には事欠かない。この大陸も広いからな。……人間の大陸が他にあるのか知らんのだがな。
『ともかく鉄が無いのは問題や。切らさへんように何とかせなあかん』
『うむ、それは同感だ。買う様にしよう。他には無いか?』
『とりあえず鉄があれば問題なしやな。服はどうしても慣れが必要やから。そっちはどうにでもなる』
『そうか、うむ。では鉄を人間の商人からも仕入れるとする』
幾らにしたものか。戦争需要の事も考えて少しは買いを多めに見積もってもよいか。まあ最悪はクレールに聞けば良いか。帰ってくるのが何時になるのかは知らんが、そのうち帰ってくるであろう。




