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4:帰還

誤字報告等ありがたいです。すぐに誤字るので……

 ユグドラシルのユニットが、扉をぶっ飛ばした。上に乗っかっていたらしいほかの扉と地面ごと。

 わー、とてつもない威力だー、なんて他人事のように考えていると、ユグドラシルはユニットを呼び戻してから振り返った。


「これでよかったでしょうか?」


 その声に我に返って、頷いた。


「う、うん。行こっか」



 そうして階段を上りきると、そこは戦場真っ只中だった。赤い軍服の人達と、白い軍服の2人組───タンザとローズ先輩が、私とユグドラシルのことを見ていた。

 なんだか、吹っ飛んだ地面と扉の山の中から呻き声が聞こえた気がしたが、これは気のせいだろう。


「ら、ラピス?!無事だったんだな!それと、そいつは……いや今はいいか」

「うん、私は無事だよ。ところで、これは……」


 赤い軍服の集団の方に目を向ければ、紺色の髪の少年と目が合った。

 数秒目をあわせた後、少年はハッとした様子を見せた。


「ッ───!副隊長、ここは退くべきです」

「……そうだな。隊長がやられた今、やむをえまい」


 少年が『副隊長』と呼んだ金髪の男性は、納刀したかと思えば軽くてを振った。

 すると、突如として突風がおき、土埃と落葉を巻き上げる。


 勢いに動けずにいれば、赤い軍服の集団は誰もいなくなっていた。

 ただ、吹き飛んだものの山の中に1人だけを残して。


「……とりあえず、落ち着いた、のか?」


◆◆◆


 山の中に埋まっていた1人を掘り起こして縛り上げて運ぶ。気絶していたが、なんとか生きていた。


 古代遺跡の入口の方へと戻ってくると、一旦休憩を兼ねて腰を落ち着けた。


「それで、聞きたいことはいっぱいあるけど、とりあえず、ラピスちゃん無事だったんだねー?よかったよかった!」


 とりあえず、情報共有することとなった。


 まず、ローズ先輩とタンザは私が落ちたあとに合流したのだということを聞いた。その後、あの赤い軍服の集団……フェルトリアの人達と交戦することになったのだそう。


「よく無事でしたね……」

「ラピスちゃんが合流してくれたからねー。相手も消耗してたしさ。それで……そのヒト?は、誰?」


 ローズ先輩がそう言うと、ユグドラシルに注目が集まる。ユグドラシルはキョトンとした様子で首を傾げた後、頷いて立ち上がった。


「僕は決戦兵器・Legendia(レジェンディア)シリーズ、N.o.06(ナンバー・シックス)Uggdracil(ユグドラシル)。ユグと申します」


「……Legendia(レジェンディア)?」


 タンザが小さく呟いたが、私もローズ先輩も気付かなかった。だから、ローズ先輩はそのまま質問を続けた。


「うんうん、ユグくんだねー。で、ラピスちゃん。ユグくんとどうやって出会ったのか教えてね?」

「はい。えっと、穴から落ちてからなんですけど───」


 穴から落ちて探索しているうちにユグドラシルと出逢い、とりあえず外に出るために行動を共にしていたことなどを話した。勿論、ユグドラシルが扉を吹っ飛ばしたこととかも。


「……機械人(マキナ)ねー。これは……たいちょーに相談かなー」


 どちらにせよ、一応古代遺跡の地下から「見つかった」なら連れて帰らなきゃだよ。

 ローズ先輩はうむむむむ、と悩む表情を見せた。


 と、ここで今まで黙っていたタンザが口を開いた。


「えっと、ユグドラシル……さん、だっけ?」

「ユグで構いませんよ。どうされました?」

「いや、機械って言うなら何を動力にしてるのかなって」


 確かにと思った。魔導燃料なのか、それとも石炭?いや石炭は無いか、などと考える間もなくユグドラシルは答えた。


「はい、僕……というか、Legendia(レジェンディア)シリーズは基本的に生体エネルギーをメインとしていますよ。人が通常食事をとるのと同じで構いません」


 特に甘いものはエネルギー変換効率が良いらしく、好ましいとユグドラシルは笑った。


 生体エネルギー……生命エネルギーと呼ばれるものを動力にする機械とは、理論とかで聞いたことはあるけど、実物があるとは思わなかった。


 いや、というかそれ以上に、ユグドラシルはやはり機械には見えない。確かに目はヒトでは無いのだが、それ以外は本当に精巧で、人間にしか見えない。


「とにかく、ラピスがユグさんのマスターってことになっちゃったってことであってる?」

「多分あってると思うよ。マスターって言われるのはむず痒いから、ラピスって呼んでもらってるけど……」


 改めてユグドラシルを見ると、目が合った。太陽と月のようにも見えるオッドアイから目を逸らして、私はローズ先輩の方を向いた。


「そーだね。一旦、ユグくんを連れて帰ろっか。色々報告しなきゃいけないし……コレもいるからね」


 ちょいちょい、とローズ先輩がつついたのは、縛り上げられた赤い軍服の男。まだ気絶している。


 いこっかー、というローズ先輩の言葉を合図に私達は立ち上がり、帰ることにした。

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