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ドブルネ伯爵と面会(前)

「何者だ?」

「ヨハネス陛下の命令でドブルネ伯爵と面会がしたい。これが陛下からの書状だ」


 警備兵に見せると、舌打ちをされてしまった。


「ち……王都の手の者か……」

「は?」

「さっさと入れ!」


 渋々と門を開けて通してはくれた。

 だが、案内はされないし、俺たちが門に入るとすかさず閉めてしまった。

 むしろ自由にできる分好都合だが。


「なんなのよアイツら!」

「まぁ、これでドブルネ伯爵が悪い奴っぽそうなイメージが膨らんだけどな」

「魔眼持ちを幽閉させてからなんですよ……。ここまで警備が厳重になったのは」


 絶対に何かがある匂いがプンプンしている。

 俺はカナリアからの情報とここまで来た経緯でそう予感していた。

 だが、そんな生温いものではないことを、後に知ることになった。


「貴様ら! どうやってここまで来た⁉︎」

「ドブルネ伯爵ですね?」

「だったらなんだというのだ侵入者め!」


 ものすごい表情で睨みつけてきた。

 見た目で判断するのは良くないが、もうコイツは悪人で間違いないだろう。

 俺はひとまず冷静に話せるように会話で誘導した。


「落ち着いてください。ヨハネス陛下からの命令でここへきました。書状を門番に見せてここへ来たのです」

「陛下とはあの新米国王の魔眼持ちのことか⁉︎」

「そうですけれど」

「チッ……見せてみろ」


 書状を渡そうとしたが、勢いよく奪われた。

 伯爵は書かれた内容に軽く目を通すと、すぐにビリビリに破いてしまった。


「何をするのです⁉︎」

「所詮は魔眼の王が書いた落書きよ……。こんななものを見せたところで素直に従うはずもない!」

「ほう? ならば前国王陛下が書いた書状ならば受け入れると?」

「そんなものがあるならばな! だが、お前らが帰った後、二度と出入りできぬようにしてくれるわ‼︎」

「いや、既にある」

「「「え⁉︎」」」


 フィリムとカナリアまで伯爵と同じように驚いていた。


「驚くこともないだろう。何故かは知らんが魔眼持ちを全員牢獄に入れたくらいだ。魔眼持ちの陛下の命令に従えないくらい想定できたから、あらかじめ前国王の書状ももらっている。確認してくれますよね?」

「ぐ……あのお方の命令には逆らえぬ……」


 いや、今の国王の命令に従えよと言いたいが、今は黙っておく。

 伯爵は観念したようで、ようやく俺たちの話を聞くそぶりを見せてきた。

 念のため、俺とフィリムは魔眼を使えることは黙っておく。


「まさか捕らえた魔眼使いを釈放しろとかではないだろうな⁉︎」

「そもそも伯爵は何故魔眼使いを捕らえたんです? 聞いたところによると以前は偏見もなく仲良くしていたそうじゃないですか」


 このあと、伯爵はとんでもないことを言うのだった。

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