ジェンの魔眼
転移能力を使って、ジェンを連れ一旦王宮へ帰った。
「レイスさんの魔眼って凄いんですね……」
「ジェンの魔眼もきっと国の役に立つと思うぞ」
「僕の魔眼、試してみても良いですか?」
「構わないよ。ここなら誰も咎める者はいない」
「じゃあ、レイスさん……、足出して下さい」
「……よくわかったな」
実は先程のドラゴンとの戦闘で、足を挫いていた。
靴を脱いで足首を見たら青く腫れていた。
「うわ……。レイスったら、どうしてそんなになってもほったらかしにしちゃうのよ⁉︎」
「別に歩けない訳ではなかったし」
むしろ、ドラゴン相手にしてこの程度で済んで良かったと思っている。
任務が継続不能になるほどの深傷ではないし気にしていなかった。
だが、それよりも気になることがある。
「どうして怪我していることが分かったんだ?」
「ごめんなさい……。実は僕、ここに来る少し前から魔眼を発動していました。レイスさんの足元から何か嫌なオーラみたいなものを感じたんです」
「つまり、ジェン君は魔眼を発動していればオーラを感じ取って怪我や負傷がわかるってこと?」
「はい」
ジェンの魔眼は集団で行動する際に物凄く活躍しそうな気がしてきた。
早速ジェンの魔眼で足首の怪我を治してもらう。
「時間かかっちゃってごめんなさい」
「治癒の力は初めてなのか?」
「いえ、おじいちゃんが怪我したりしたときに何回か使いました。村の人たちにはバレないようにしていましたけど」
「そうか」
徐々に青かった足が通常の色へと変化していく。
「大丈夫か? 無理しなくても良いんだぞ」
「いえ、練習だと思ってやらせてください」
「わかった」
約三十分後、俺の足は完全に治癒された。
「ありがとう。長時間魔眼を使ってしまったが、ジェンの身体は大丈夫か?」
訓練もせずに長時間魔眼を発動させるのは相当な疲労がかかる。
ジェンの息も荒くなってしまっていた。
「なんとか……大丈夫です」
「でも凄いわね! あんなに腫れていた怪我を治しちゃうんだもん」
フィリムがジェンのことを持ち前の明るさで褒めていた。
俺も続けてジェンに可能性を示唆するようなことを告げた。
「鍛えたらもっと短期間で、しかも魔眼の力を最小限にして治癒できるかもな」
「ここで鍛えたいと思います」
「ふむ、いきなり大物を連れてきたようだな」
「ヨハネス、いたのか!」
ヨハネスがいつの間にか姿を見せた。
すると、すぐにジェンは土下座の大勢をとった。
「そこまでかしこまることもない……顔をあげたまえ」
「レイス様からお聞きしました。陛下やレイス様、フィリム様には感謝しています! 僕の魔眼を肯定されたのは初めてで嬉しかったんです! 必ず役立って見せたいと思います」
「うむ、そこまでの気持ちを聞けただけでも十分。ともかく顔をあげたまえ」
ジェンはようやく顔をあげた。
「レイスの元で魔眼を鍛え、大いに活躍してもらいたい。君には期待している」
「はい!」
「ところでヨハネス。ジェンの村の近くでドラゴンが現れた」
「なんだって⁉︎」
ヨハネスは慌てふためいた態度をしていた。




