探索と手掛かり
ヨハネスならこういった場合、必ずヒントを残す。今回の場合だったら、誰にもわからない、俺とフィリムにしかわからない場所に。
「フィリム、ヨハネスのメッセージを残す可能性がありそうな目星がついた!」
「どこなのよ!?」
「今までフィリムとヨハネスが二人でよく会った場所を知らないか? 特に王宮内で」
「そうねぇ……うーん……」
暫くフィリムは考え続けていた。
「レイス殿、どう言うことだ?」
「ヨハネスなら、誰かにさらわれる前に何か手がかりを残してくれるはず。本当に急でどうしようもなかったらわからないけど。俺とフィリムにしか絶対に分からない手がかりを残す方法が──」
その時、フィリムが思いついたように会話に入ってきた。
「あの場所なら……レイス、瞬間移動で王宮の入り口まで連れて行って!」
言われたとおりに、フィリムとクレアを連れて王宮の入り口まで魔眼を発動して瞬間移動した。
♢
案内された場所は王宮の庭。
此処ではフィリムとヨハネスの二人でよく会っていたそうだ。
俺もフィリムと王宮から帰る前にここで待ち合わせをして一緒にフィリムの家に帰っていた。
ヨハネスが捕まることを想定してメッセージを事前に残すとしたら、ここにきっと何かあるはず。
この周りにあるものと言えば石碑。
「これか!?」
俺は魔眼を発動して石碑を凝視した。
【ホウジョウサイアイサツの──オウキュウの──】
と文字が浮かび上がった。
「フィリム! この石碑を魔眼で凝視するんだ」
フィリム魔眼で凝視すると、フィリムにしか見えない浮かび上がった文字を読み始めた。
「【──カイシチョクゼンに──クンレンジョウだ】って文字が出たわよ!」
合わせると、
【ホウジョウサイアイサツのカイシチョクゼンにオウキュウのクンレンジョウだ】
用意周到で慎重なヨハネスだから俺とフィリムの魔眼を使わないと解読できないようにしているなんて……。
「時間間近じゃないの!」
「訓練場も俺は行ったことがある場所だから大丈夫。瞬間移動で一気に行く!」
クレアとフィリムを連れて、訓練場に移動した。
♢
「ほう、気づいたか」
ヨハネスはロープでぐるぐる巻に縛られながら訓練場の隅にいた。
ヨハネスの余裕のある言葉とは裏腹に、ヨハネスの周りには武器を持っている敵がたくさん。兵士が言っていた五人どころではない。
しかも見覚えのある顔だらけ。
王宮の兵士達じゃないか。ウイガルの姿もみえる。
奥の方から聞き覚えのある笑い声とともに俺たちの前に姿を現した。
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