国王と感謝
「おい親父! 兵士どもは片付けてきたぞ。話にもならんカスみたいな連中だったがな。かっかっか!」
俺たちとフリザス王子、そしてヨハネスも加え、王室へ戻った。
「なんと……昼に出たばかりで、まだ日も沈んでいないではないか」
「それはコイツに感謝することだな」
フリザス王子は、俺の肩を『ドンッ』と、まるで押し潰すような力量で叩いてきた。
「ま、俺様が本気で走ればもっと速く移動できるだろうがな! だが俺様は移動するのはめんどくせぇ。コイツは最高の移動道具だ。かっかっか!」
「兄上! レイスを道具扱いするのはやめるのだ」
「かっかっか! ならば今後の俺様に貢献することだな!」
フリザス王子が言いたいことを言って扉を開けて出ようとした時、オルダニネス国王がこう言う。
「皆の者。此度のご活躍大変ご苦労であ──」
「違うぜ親父! フィリムちゃんも剣聖もピクニックしていただけだ。それでも国に貢献したことになるんだからな。俺に感謝しろよ! かっかっか!!」
「──!?」
フィリムは怒るどころかフリザスの顔を見て何故か驚いているような素振りを見せた。
「繰り返す。皆の者、此度のご活躍大変ご苦労であった。騒ぎが沈静した後、玉座の間で表彰式を行う」
「かっかっか!! テメェら、手柄をたてた俺様に感謝するんだな!!」
フリザス王子はそのまま王室から出ていった。
ヨハネスはオルダニネス国王と目を合わせた後、ヨハネスがコクンと頷き、王室中に会話を外に漏らさない魔道具を使った。
オルダニネス国王は、フリザスが出ていった開けっ放しの扉を閉めて、ため息をはきながら俺たちにこう言う。
「皆の者、すまぬな。特にフィリム公爵令嬢。あの時は大変すまない。親として恥じる」
「父上……」
「お気になさらず陛下」
オルダニネス国王が再び席に戻り、再びため息を吐きながら話してくれた。
「フリザスは幼少期から活発でな……問題も度々あって頭を抱えていたのだよ。フィリム公爵令嬢の目の秘密を王宮中にばら撒いたりも……本当にすまないと思っておる」
「いえ、確かにあの時は辛かったですが、今の私は……昔のことは気にしていません。ここにいるレイスのおかげです」
「俺が!?」
「そうよ。レイスが私に魔眼と向き合うきっかけをくれたんだもの! レイスが私を変えたから今の私はここにいるのよ」
真剣にフィリムが言うので少しばかり俺は照れてしまった。
だが、俺がここまでこれたのも全てフィリムのおかげだ。俺がフィリムに感謝を伝えたかった。
「ヨハネス、お前は本当に良き仲間を得たのだな」
「フィリムが私にレイスを紹介してくれ、二人がクレアを連れてきてくれました。私は仲間に恵まれてます。私はこの三人と共に行きます。父上、……ありがとう!」
オルダニネス国王が笑顔を見せていて、和やかな空気で王室を後にした。
ヨハネスとオルダニネス国王の親子の会話を聞けて、俺は母様を思い出しながら笑顔になっていた。
フィリムとクレアとヨハネスの四人で、今後の豊穣祭へ向けて本格的に動き始めた。




