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幽閉と破壊

「フリザスよ……何故此処におるのだ?」

「兄上……」


 ──まさか!?


 俺は会話で瞬時に察した。幽閉されていると聞いていたはずの……。


「よう、お前が噂のレイスか。そっちは剣聖クレアだな。初めましてだな。俺様はコイツの兄貴のフリザス第三王子だ!! 覚えておけ!! かっかっか!!」


 国王陛下の話など無視して俺たちを凝視してきた。目付きもそうなんだが、笑い声だけで全身が固まりそうなくらいの恐ろしさを感じて、俺たちは返事すら出来なかった。


「フリザス……質問に答えよ……お前は地下牢に幽閉していたはず──」

「ゴチャゴチャうるせーな! あんな牢、出ようと思えばいつでも出れたんだよ!! あの程度の魔力を加えただけの鉄クズ……俺様を舐めすぎなんだよ!! かっかっか! おい、そんなことより戦争だろ!?」

「う……うむ」


 国王陛下ですらフリザス第三王子に雰囲気に押されている……。


「俺様はこの為に出てきてやったんだ! 幽閉ごっこは終わりなんだ! 俺が全員ぶっ殺してやる! かっかっか!!」

「な……ならぬ! お前は今後も地下牢で大人しく──」

「今王都で大暴れしてやってもいいんだぜ!? 俺様を止められる奴なんかいねーんだよ」


 俺は一瞬クレアを見たが、クレアですらフリザス王子を前に震えているように見える。

 フィリムも普段だったらすぐに「なんなのよ」って怒るはずなのに黙ったままだ……。ハッタリではなく本当に──。


「ま……待つのだフリザス! 許……許可する。ただし、周囲の被害は十分に考えるのだ。よいな?」


 国王陛下は渋々承諾したように見える。フリザスは不気味な笑みを浮かべていた。


「かっかっか!! 決まりだ! レイス! てめーは一緒に連れて行ってやる。あとは──」

「フリザス! 護衛や騎士団を援護に──」

「かっかっか!! そんな雑魚いらねーな! 足手まといだ。それよりも……コイツらが欲しいな!」


 指を挿したのはフィルムとクレアだった。


「兄上……、この者達は私の大事な──」

「かっかっか!! ヨハネス! 『大事な配下だから』とでも言いたいんだろ!? 喜べ! 俺様が大事な配下を借りようって言ってるんだ!」


 ヨハネスは断ろうとしてくれてたのだろうが、そういう状況でもなかった。

 完全にフリザスの独壇場の空気に呑まれてしまったのだから。


「おい。お前、魔眼で転移みたいなことできるだろ!?」

「──!? なんでそのことを知ってるんです!? さっきもそうですが、なんで俺の名前まで!?」

 一瞬言葉が出なかったがようやく恐ろしいまでの闘気にも慣れてきた。

 フリザス王子には魔眼も見せていなければ能力も知られていないはず。なのにどうして。


「かっかっか! やはりそうか。俺様はなぁ、地下牢で何もしてなかったわけじゃねーんだ! テメェの能力くらい俺様の研ぎ澄まされた第六感がそうなんじゃねーかって教えてくれるんだよ!! それに地下牢から耳を澄ましてりゃ玉座の間での会話くらい俺様には聞こえる」


 なんてメチャクチャな王子なんだ。

 一緒に行って大丈夫なのか心配になる。


 瞬間移動できる場所は今まで行ったことがある場所だけに限られる。だが、南東方面には行ったことがない。


 王都の外まで瞬間移動して、そこからは見える範囲で空間干渉を何度も発動して距離短縮で俺たちは戦場へと向かった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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よろしくお願いします!

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