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毒試飲とパニック

「ほう、スプリン。私の食事中に入ってくるということは、また何か珍しい珍味を用意してくれたのか?」

「勿論でございます。今回は貴重な果実から取れたオリジナルブレンドジュースでございますんだナ」


 ヨハネスはスプリンから常日頃、色々な珍味や珍しい食材を食事中に追加で提供していた。

 スプリンにとって、信頼されているから警戒などされないと思っていた。


「ほう、是非飲ませてくれ」

 ヨハネスは何食わぬ顔で、ポーカーフェイスの笑顔でワイングラスを差し出し、猛毒を注いでもらっていた。


 何食わぬ顔でヨハネスは少しだけグラスに猛毒ドリンクを残して、ゴクゴクと一気に飲んだ。


 スプリンは、頭の中でガッツポーズを決めていた。

 だが……。


「ふむ。なかなか不思議な味だが美味くはないな。これが果実ジュースなのかスプリンよ」

「な!?」


 ヨハネスはニヤけた。


「まあよい。スプリン、折角だ。お前も飲むが良い」

「ほへ!?」


 スプリンはヨハネスに勧められているグラスを手に取り、間抜けな声を出しながら大量の脂汗が出た。


「ヨ……ヨハネス様、わ……私は今お腹を下していますのでジュースはちょっと……」

「そうか。では、これならどうだ?」


 ヨハネスはスープの中に残ったワイングラスの中身を入れた。

「私の味覚が正しければ、このスープにこの味を混ぜると大変美味になると推測した。いつものように味見してくれ」

「ひぃ……」


 あとには引けないスプリン、しかし、ヨハネスの命令のため、絶対に味見をしなければいけない状況に追い込まれた。

 呆然としているすプリンにヨハネスは笑っていた。


「……もうよい。下がるがいい」

 スプリンは絶体絶命のピンチを切り抜けたと思い込んでいた。

 次の言葉を聞くまでは。


「それから、お前の本当の親玉であるガブネス王子に伝えてほしい。今回のこの毒のように、私個人を暗殺しようという行為は今まで何度も目を瞑ってきた。だが、私の仲間を暗殺しようとすれば、次はないと思えと。私は敢えて見逃しているだけだ。その気になれば今すぐにでも捕らえることが可能な状況になっていることを忘れるな。勿論お前もだ、スプリン!」


 スプリンは血相を変えて慌てて部屋から逃げ出した。


「まったく……これでしばらくは何も手出しはできないだろう……レイス達に休暇を与えて私に危害を加えさせようとする作戦は概ね成功か……。兄上(ガブネス)、兄弟故の情けで私が目を瞑るのはここまでだ。次は私も本気を出そう」


 スプリンは慌ててガブネス王子に状況を説明して、ガブネス王子は、どうしようも出来ない状況に追い込まれてルーラのように発狂してパニックになっていた。

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