不始末と今後
裁きは持ち越しとなり、俺とフィリムとヨハネスは、ヨハネスの応接室へと戻った。
ヨハネスは平然とした普段通りの姿で次の事を考えているように見えるが、フィリムは苛立ちを隠しきれていない。
「やられたわ!」
あと一歩というところで邪魔が入ってしまった。俺も悔しいという気持ちはある。
そして、ヨハネスに代償を背負わせてしまった。
「……ダインの奴、私達に黒幕を教えてきたのも、全ては魔道具を貰うためだったのね……」
「ヨハネス、ごめん。俺のせいで魔道具を」
ヨハネスは平然とした態度で何事もなかったかのように話す。
「あぁ、あの程度、問題はない。そもそも今回の責任は私にある。気にするな。そんな事よりも、私はレイスが無事に無罪で済んで何よりだ」
「それにしてもあんな恐ろしい魔道具をアイツに渡したら、大変なことになるんじゃない!?」
「ヨハネス、そんなに危険な魔道具なのか?」
俺はヨハネスが渡した魔道具がどういうものなのか知らなかったので、魔道具のことを聞いた。
「対象者の力を強制的に引き出す魔道具だ。但し代償が大きく、大幅に寿命を縮め死に至る場合もあるからな。まあ扱いも難しいし、玉座の間で皆聞いていたし、流石に悪用するにしても派手にはできないだろう」
ダイン王子がここまでして魔道具を手に入れようとした理由はわからない。それに問題はそれだけではない。
「なぜミルトがダイン王子と一緒にいたのかが引っかかる。俺が知っているミルトだったら、親を助けようと動いたはず……」
「ふむ。あのミルトという者に実はコッソリと【真贋鑑定】を発動したのだが、憎悪の感情が視えたのだ。何か企んでいる事は間違いないであろうが、ダインといたということはこちらもすぐになにか動くことはないだろう」
たしかに、ミルト相手では、どう企んでも俺の魔眼でどうにかなるはず。
しかし、俺が知っていたミルトとは別人のような行動だったので、気になってはいる。
今回の件では、第二王子とザバス、リングベルド一家のつながりは掴んでいたのに、第一王子がミルトを連れ、引っ掻き回して全部を持っていった。
「はぁ……振り出しに戻っちゃったわね」
「そんな事はないと思う。これからでも尋問して証拠をあげれば今回の問題は解決するはず。ここまでやったんだから諦めないで最後まで頑張ろう!」
「ふむ、レイスの言う通りだ。フィリム、この程度心配無用だ。だが、今日は一旦休もう。フィリムもレイスも今日は泊まっていくが良い。執事のセバスには俺から直接伝えよう」
目的が達成できずに苛立つフィリムをヨハネスは慰めていた。
俺も明日からの行動に支障が出ないように、今日は休もう。
俺とフィリムは、ヨハネスの客間に一晩泊まった。
そして翌日……。
牢に入れていた四人が、綺麗にいなくなっていた……。
投稿当初は【ダブネス第一王子】と命名していましたが、
誠に勝手ながら、ダブネス王子を【ダイン第一王子】と改名させていただきました。
ご不便おかけして申し訳ございません。
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