(後編)暗殺と重荷【バルス視点】
「ボクが国王に継承するはずだったのに何故かヨハネスだったんだネ。でも、ボクが国王になったら、魔眼持ちの人間は目を潰すか死刑にするつもりだったし、ボクが国王になれれば君達も無罪に出来るんだネ」
「それは素晴らしいことですわ! さああなた、すぐにでもあのガキを!」
リングベルド家にとってこれほど喜ばしいことはない。
自分たちが行った行為が正当化され、尚且つ歴史ある伝統を大事にしようとするガブネス王子が次期国王になると言うのならば。
「し……しかし相手は魔眼持ちで……しかもフィリム様は公爵令──」
「うん、それも調べてあるんだネ。ヨハネスの魔眼はめんどくさいけど、所詮は力はないんだネ」
「フィリム公爵令嬢の魔眼は私も重々承知しております……」
「あれも今は封印して使い物にならなくなってるんだネ。だから何も恐れることはないんだネ」
「う……」
「あなた!! さっさと言う通りにしないと私達がどうなるか分かってるの!?」
「だ……だが……ルーラよ。相手は次期国王陛下と公爵令嬢だぞ。もしどうにかした場合、私はこの先……」
レイス一人ならなんとかなると思っていたバルスだが、王子や公爵令嬢をも一緒に……となってしまっては怖気付いていた。
この時、ミルトはガブネス王子は魔眼を軽視しているのではないかと疑い始めた。
「ガブネス王子様、失礼ながらお尋ねします。私の義兄だった者の魔眼の力はご存知でしょうか? あの者の魔眼の力は──」
「うん、知ってるんだネ。ボクから見れば全くもって無力だネ。だから、安心して指示に従って欲しいんだネ」
ミルトの言葉を被せるように言うガブネス王子。ミルトはそのまま黙って何かを考えていた。この王子では……と。
バルスもどうしたら良いのか考えている。
「使い物にならないとはいえ魔眼相手だし、公爵令嬢だもんネ。……わかったネ。じゃあ、君達頑張ってくれるなら、ボクが直々に助けてあげようネ」
「と……言いますと?」
「簡単だよネ。公爵令嬢が王位継承に抗議しているボク達を暗殺しようとした、怒り狂ったヨハネスも殺そうとしてきたから正当防衛。君達はボクを救った英雄ネ。偽りの証拠もいくつか用意しておこうネ」
「あなた!! やりましょう!!」
暫く考え込むバルス。たとえガブネス王子に助けてもらい無罪になるとはいえ、王子や公爵令嬢を抹殺した汚名を一生背負っていくことがどれ程の重みか……。
しかし、選択肢は一つしかない。
「う……うむ。あの子をどうにかしない事には私たちも未来はないからな……仕方あるまい……」
リングベルド家の三人は、自信たっぷりのガブネス王子に従い、暗殺を行う事になるのだが……。
既にこの時、レイス達の作戦に引っかかっている事を全員知らなかった。
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