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油断と自信【ガブネス第二王子視点】

「ボクの指示通りで上手くいったみたいだネ、ザガル伯爵」

「クックック……ガブネス王子の指示が上手いんですよ……こうも早くあのレイスという民の身元が分かるとは。まさかリングベルド家の者とは驚きましたがね」

「魔眼持ちの民は、そう多くはいないし、多くても困るんだネ。全員殺すのはとてもとても大変だよネ……」


 ガブネス第二王子の個人の応接室で会話しているのはガブネスとザガルの二人。


 今回の作戦に加担したウイガルは……。


「でも、よくヨハネスのズルすぎる魔眼能力を振り切って盗聴が出来たよネ。さすがのボクでも真似できないネ」

「お褒めの言葉有難うございます。国王になった暁には教えましょう……クックック……」


 ガブネス王子もウイガルの超聴覚の事は知らない。

 ザガルは誰にも超聴覚の事は喋らないようにとウイガルに指示をしている。

 バレれば今回のような作戦がやりづらくなってしまうためだ。ウイガル本人も承認している。


「いやいや、ザガル伯爵は大手柄だネ。これならレイス君には魔眼対策も必要なさそうだしネ。物の出し入れしか出来ないような無力な魔眼なら、リングベルド家の人間でも殺せるだろうし、ボクは楽ができるよ」

「ごもっともです。敵ながら、図々しくもヨハネスと手を組もうなど。ヨハネスですら断っていましたし……バカな民です。さすがリングベルド伯爵の子……」


 勿論レイスの魔眼は物の出し入れ以外にも出来るが、ガブネス第二王子もザガル伯爵も物の出し入れの魔眼だけで空き巣を捕まえた事など知るわけがなかった。


「リングベルドの人間は全員来るんだネ?」

「馬を使ってるはずです。もう間も無くかと思われます」


 間も無くリングベルド家を利用して魔眼の邪魔者を抹殺できると思うと、ガブネス王子の声のトーンがどんどんと高くなり、興奮状態になっていく。


「良いよ良いよザガル伯爵。ボクが国王になった暁には側近として働いてもらいたいんだネ。だから、まずはリングベルドの人間に働いてもらってヨハネスとフィリムとレイス君のゴミ掃除からだネ」

「クックック……有り難きお言葉。必ずや成功して見せましょう」

「問題はフィリムの魔眼だったけど、アイツもバカだよネ。母親を殺した事を知って自ら封印しちゃうんだもんネ」

「だからこそリングベルド家のような低脳家族でも暗殺役に使えるのですよ」

「そうだネ」


 ザガル伯爵も、ガブネス王子も魔眼の存在を特に嫌い避けてきた。

 魔眼への嫌悪感からよく調べもしなかったのだ。相手の本当の戦力を。

 この先の事を知るはずもなく、二人は笑い続けていた。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

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