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無
「ふぁーあ。今日も仕事か」
男があくびをしながら仕事場に入ってきます。
彼は車のディーラーをやっている者でとても気怠そうです。
「さてと、今日はお偉方がくるんだったよな。しっかり準備しないと。」
カタッ
「ん。誰かいるのか?いや、こんな早い時間に俺以外のやつが仕事場にいるわけがねぇ」
ドルルルゥン
急に響き渡る車のエンジン音。
「な、なんだ?!車のキーは金庫にあるはず!なんで動いてるんだ?!
とにかく落ち着け。エンジンが付いたということは誰か車に乗っているに違いない。」
ゆっくり車に近づいていく。
やはり誰か乗っているようだ。
「お、おい!それはうちの大切な商品だ!さっさお降りろ!」
「やだね」
車の中の人物がそう返事をする。
ブロロロロ!ガシャーン!!
車は展示ガラスを突き破って逃走した。
「ど、泥棒!」
これがスティーラールピン始めての泥棒だった。