相馬-道化の華。
ポツリポツリと雨が降る。夕方18時の出来事。ここは、北海道すすきの。少年は携帯の通知に足を止めるとパチンっと指をならす音が響いた。画面を見るとその画面には猫耳の美しいかおをした道化師が写る。周囲はまるでそこにはなにもないように進む。
『川門相馬クン貴方ハ、選バレマシタ』
少年は、見ず知らずのものが、自分の名前を知っていること、そして何よりこの回りの状況に驚き、絶句していた。
そんなとき後ろから肩を叩かれた。振り返ると画面の中の道化師がたっていた。驚く相馬を、気にせず道化師は続けた。
『貴方ハ人生ニ絶望ヲシテイマスネ?自分ハダレカラモアイサレナイ。コノセカイハウラギリシカナイノダト』
相馬は、道化師を睨む。道化師はその眼を見て微笑みそして続けた。
『ソレダケ絶望ヲシナガラ、ソレデモ、人ヲ信ジナイミズカラヲトクベツダトオモッテイル』
相馬は、ようやく口を開く
「何をいいたいんですか?」
『ワタシハ アキ。 アナタニシンジツノアイヲアタエマショウ。』
「真実の愛??」
『ソウ、シンジツノ愛、スバラシイヒビキデショウ??』
「貴方は何ですか?」
『私ハ道化師。ソレデハ、ハジメマショウ』
道化師は指を鳴らす。そうすると辺りが真っ暗になる。
「ま、まってなにも説明が。」
『ソレデハ、ココニアラワレル女性ガ。アナタノウンメイノヒトデス』
「最後に聞かせろ!アキさん、あなたの目的は?」
『シンジツノ愛ヲ。傲慢ナ人間ミズカラノ、命ヲケズッテマデ、スベテヲササゲラレルヨウナ愛ヲミルコトデス』
そういうと、道化師は続け様にいい放つ!
『ソレデハ相馬クン、ワタシに、シンジツノ愛ヲミセテミテクダサイ。ソノタメナラ。ワタシハ誰ヨリモオドケテ魅セマショウ』
『サア。舞台ノ幕ガ上ガル。』
再び道化師は指をならした。そうすると道化師は、姿を消した。
「いったいなんなんだ。どこなんだ。ここは。」
そう相馬が呟く。
コツンコツン音が響く。誰かがこちらへ向かう音が響く。