6話
特変種と呼ばれるゴーストは上級、中級、下級の3
種の格が存在している。中級クラスのゴーストは
それぞれ、僕の故郷を襲ったと思われる紫電の
「エース」を始め、自然の「オリヴィア」豪炎の
「オーガ」水流の「アメリア」死地の「デスペア
ー」と呼ばれている。先に言った通り特変種は、
これらだけでなく、上級、下級も存在しているの
だが、下級と呼ばれるゴーストの数は、決して少
なくなくて、特変種の全体の割合と比較すると、
8割との調査結果が出ていて個体数が多いことか
ら、上級のゴーストはそもそも姿が確認されてい
ない。一部では、存在していないのではなどと言
われている程だ。だが、存在しているだろうとい
う見方がされているのが事実。特変種のゴースト
たちは、通常種とは比べものにならない程の実力
をもっている。身体能力はもちろんのこと、繰り
返しになるが、能力「ユニーク」を用いる。
そこで、ゴーストに対抗するべくそれぞれの師の
元で訓練を重ね、剣技を磨き戦える力を得た「剣
士」がいる。また、剣士の使う剣は普通の剣とは
作る素材が異なっている。剣士の剣を作るために
は、光斬石と呼ばれる結晶が必要なのだ。光斬石
を元に作った剣を使うことによって、ゴーストの
再生能力を低下させたり光斬石の持つ剣の真価を
引き出すことができる。光斬石には「紅」「藍」
「翡翠」「白銀」「漆黒」の5色が存在していて
それぞれに師が1人ずついる。それぞれの色の光
斬石によってゴーストと自分自身に与え、与えら
れる影響は大きく異なっていて、その剣が真価を
発揮する条件にも大きな差異がある。
まず、紅の剣は自身の精神が熱く昂ぶり興奮状態
にあることで真価を発揮する。興奮状態の例とし
て戦闘への過度な欲求などで、性欲などの興奮で
はない。この状態を保つことによって斬れ味は増
して一撃一撃が重く速く鋭い剣筋になる。
藍の剣は自身の精神が冷静沈着であることを条件
に剣の真価を発揮する。常に冷静な精神を保つこ
とで振るう剣は斬れ味が増し剣筋は重く速く鋭く
なる。だが、使いこなすには強靭な心、精神が不
可欠でありどんな状況下でも冷静な対応、判断が
できるようにならなくてはならない。
翡翠の剣は他の4剣とは異なっていて、ゴースト
に与える特別な能力はなく自身に与える特別な能
力が存在する。それは自動治癒能力だ。翡翠の剣
を握っているだけで自身の体に負った傷を治癒す
ることができるのだ。しかし、光斬石で作られて
いるため斬れ味は並大抵の剣よりは優れているも
のの他の4剣と比べたら格段に劣る。また、心が
真に穏やかで優しい持ち主でないと治癒能力が使
えないという弱点がある。
白銀の剣は、極めて冷酷かつ残酷な心をもつこと
を条件として白銀の剣は真価を発揮する。白銀の
剣の能力は白銀の剣で切り裂いたゴーストの体の
部位を二度と再生できなくするというものだ。さ
らに斬られた部位は跡形もなく消滅することも知
られている。ゴーストの自己再生能力を無効化す
るため最強の剣と呼ばれていた時もあったよう
だ。だが、一般的な人では簡単に条件を満たすこ
とはできず白銀の剣の真価を発揮することができ
ない。また、そもそもの前提として過去に起きた
とある事件をきっかけに白銀の剣を生み出すこと
自体がご法度になっていて、白銀の剣術を継ぐ後
継者がいなくなってしまい師の存在も消滅してし
まっている状態らしい。そのため白銀の剣を使う
剣士は現在に存在しているのかどうか定かではな
いのが現状だ。