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赤い鬼の子。  作者: ホタル。
第三章 百鬼夜行
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43.  オニタイジ


 「なんで戻って来たんだ、畄萎(るい)‼」


 「これとこれを貰ったからだ」


 「それは....べっこう飴か? それと....ッ」



 パリンッ



 「あー、なんで花飾りを壊すんだ」


 「それはダメだ」


 「畄萎のをよくも、よくも。よくも畄萎のをー」



 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




「鬼退治の始まりだ」



 自分は鬼たちが気がついてない集落の人たちが隠れている所に影移動で入り、



「助けにきました」


「ッ」



 そこは呪札で簡易の結界が張られている。

 これで気がつかないって結構弱い鬼なのか。



「油葉根さん」



 ここに来るときに油葉根さんを影の中に入れたので出してあげる。



「ここの護衛をお願い。無理そうだったらよんで、すぐ来るから」


「ありがとうございます。ですがこの結界でバレないようでしたら大丈夫かと」


「まぁね。じゃ、行くとするか」



 影移動で外に出て近くにいた鬼を身体強化した拳で殴りつける。


 殴られた鬼はドゴンッと音をたてて地面にめり込んで気を失っている。



「こい、夜叉丸。紅蓮流剣術 死連(しれん)



 音に気がついてない近づいてくる鬼を片っ端から刀を当てず命を刈り取っていく。



「どうした? こないのか?」



 さっきの技に警戒しているのか近づいてこない。

 それどころか霊術を放ってきてるが弱すぎて斬るまでもない。



「霊術って言うのはね、こうやるんだよ。炎霊術 火の玉」



 掌から初級の炎霊術を使い一体の鬼の目の前に落とす。

 それだけで、鬼の皮膚は溶けて地面は硝子になってしまった。



「動くな」



 声と視線に霊力を込めて放つ。

 これで弱い鬼は身動きがとれなくなる。



双子座(ジェミニ) 極星の軌跡」



 無数の刃が動かない鬼たちを蹂躙していく。



「さて、この辺の鬼は片付けたか。鈴と朱音は大丈夫だよね」


「忌助、出来たぞ」


「早いな、ながつき。じゃあそれをあそこにいる人たちに。そして警戒よろしく」


「忌助は?」


「鈴と朱音がやり過ぎてないか心配で」


「なるほど」



 影移動で鈴の所に行くと特に問題もなく、もうすぐ終わりそうだ。



「後は」



 朱音の所も影移動で行ってみると、



「これは....」



 そんな声が漏れるほど酷い有り様だ。


 朱音は鬼を逃がさないように[瘴気]で檻、会場を作って一対一で殺し合いをしていた。

 残りの鬼は六体だけだけどこれっていいのかな?



「あっ、忌助くん。どうしたっスか?」



 鬼が殴りかかっているのに無視してこっちを呼んできた。

 いや、無視ではないのか。

 鬼の殴った場所は[瘴気]に包まれていて鬼の拳がグチョグチョに溶けて悲鳴をあげている。



「あまり遊ぶなよ。鈴ももうすぐ終わるし」


「わかったっス。残りの鬼たち一気に相手をするっス」



 いや、そういう意味じゃなかったけど....まぁいっか。


 そこからは一方的だった。

 朱音が一撃で鬼の頭を溶かしていき十秒もせずに終った。

 もうこれじゃあどっちが鬼かわからないよ。



「終ったみたいだね」


「鈴も来たんだ。火を消しといてくれてありがと」


「ん? だって水を使えるのに消さないのはね」



 流石だ。

 自分の[紫水]だと家その物を気化させちゃうからあまり水とは言いがたいし。



 ながつきたちの所に戻ると、集落の人たちからとても感謝された。

 そりゃ鬼を倒したのは自分たちだけど逃げる判断をしたのは集落の長な訳だから遅かれ早かれ助けが来たと思う....。



「思い出した」


「どうしたの、忌助くん」


「いや、鈴。鈴が眠らせた人たちそのままだったって」


「別にいいんじゃない?」



 いいのかな?

 鬼に殺されてない事だけを祈ってあげるか。



「さて、この人たちは学校に連れていくべきだよね」


「そうだな。でも運ぶのが大変だぞ?」


「それは大丈夫。[影遊び] 影船(えいせん)



 影で掌くらいの船を造りそこに入るように言う。

 って言ってもここに入れるとは思えないよね。



「油葉根さん、指でこれに触れて」


「はい」



 油葉根さんが影船に触れると影に吸い込まれていった。

 それを見て逆に集落の人たちには怯えられてしまった。



「油葉根さん、扉があるでしょ。そこから出てきて」



 そう言うと、油葉根さんが影から出てきた。



「これで運ぶから皆触れてね。それからいいって言うまで出ないでよ」


「ありがとうございます。村の長として皆に代わりお礼を申し上げます」


「うん、そういうのはいいから早く」



 そう言うと集落の人たちは少し怯えたような表情をした。



「忌助くん、いくら普段からお礼を言われる事がないからって、照れてもそういう言い方はダメだよ」


「うっ」



 それを見た集落の人たちはホッとしたのか1人ずつ影船に触れていく。

 なんで鈴はわかったんだ。



「なんでわかったの? って顔だね」


「もしかして今もさっきも顔に出てた?」


「うん。すごい分かりやすかったよ。ね?」



 鈴は朱音のながつきに同意を求めるが2人とも鈴と目を合わせようとしない。



「えっ、ちょっと。二人ともそう思うよね?」


「いや、鈴。俺はわかんない」


「鈴ちゃん、私もわかんないっス」


「えっ....」



 朱音とながつきに同意をとれなかった鈴はなんかションボリしている。 



「忌助くんは顔に出やすいと思ったのに」



 鈴にとってはそんなにわかりやすいのか。


 全員が影船に乗り終えて、油葉根さんも乗ってもらった。



「よし、今度こそ学校に向かう」


「陣形はどうする? 油葉根さんが抜けたから二之舞(にのまい)の陣でいいよな。第二試練の時と同じ」


「あれか。よしそれで行こう」



 朱音を先頭に右に自分、左にながつきで後ろに鈴。

 ひし形になって進んでいく。



 ※



 二時間と思っていたが、一時間とちょっとで着いた。

 つもりだったけど、



「ここのはずだよな」


「そのはずっス」


「でも学校はどこにもない」



 そう、この場所のはずなのに学校がないんだ。


 いや、霊力の流れがおかしい。

 これは〔幻影(げんえい)術〕と〔結界(けっかい)術〕を併用して鬼たちにバレないようにしてるのか。



「仕組みはわかんないけど、結界を壊したら怒られるよね」


「えっ、結界が張られてるの」


「結界だけじゃなくて〔幻影術〕もね」



 鈴はよーく霊力の流れを観察して、



「本当だ。なんかおかしい」



 それに続き、ながつき、朱音と気がついた。



「もう一回言うけど怒られるよね?」


「怒られるな」


「怒られるっス」


「怒られちゃう」



 ながつき、朱音、鈴にそう返される。

 だよなー、せめて迎えが来てくれればいいんだけど。



「そういえばこんなに近づいてるのに気がつかれないんだね」


「あっ‼ それだ、鈴」


「えっ、なに?」


「今ね、皆の分も含めて気配遮断をしているんだよ。解除するよ」



 気配遮断を解除すると、慌てた様子で何人も何も無い所から出てきた。



「誰だ、キサマら」


「この反応は人間、ではない。鬼、でもない。鬼の子か。でも薬はここでしかまだ」



 ほう、出てきたのは弱いけど一応鬼の子なのか。



雨三(あまみ)玖郎(くろう)さんに用がある愛六忌助と言えばわかるかな?」



 一応自己紹介(もど)きをしておく。



「愛六忌助って事は、()(つき)雨三(あまみ)(りん)信条(しんじょう)朱音(あかね)なのか」


「拘束しろ。急げ」



 えっ、拘束されるの。



「なぜ拘束されるっスか?」


「黙れ、動くなよ。手荒な真似はしたくない」



 手荒な真似って拘束しようとしてるはそっちじゃん。



「理由を教えてくれてもいいんじゃないんですか?」


「黙れと言っている」



 鈴の言う通りなのに、ジリジリと距離をつめてくる。

 ダメだ、イライラしてきた。

 落ち着け、殺しちゃダメだ、ダメだ。



「[影遊び] 影奈落」



 近づいてきた人たちを影の中に落とす。



「あーあ。忌助、絶対怒られるぞ。巻き添えは勘弁だからな」


「ごめん、つい。だって玖郎さんを呼んでって言ったのに動かないんだよ?」


「おっ、動き出したぞ」



 数人が草むらに消えていった。

 これで一件落着だな。


 とは、いかなかったようだ。



「やれお前ら。こっちには数がいるから相手は為す術なく捕まえれるはずだ」



 草むらから百を下らない数の鬼の子が出てきた。



「動くな雑魚」



 殺気を放ち力の差を教える。



「数人は動くか」



 動いているのは見たことがある人たちだった。



「あの時の恨み」


「ここで」


「晴らさせてもらう」



 そう、受験の時に邪魔をした鬼になってない残りだ。



『鬼の王として命ずる。命を絶て』



 夜叉丸が命令をするとソイツらの持っていた鬼の刀は消えてなくなった。



「何をしたんだ」


「またズルをしたのか」


「卑怯者」



「そこまでだよ。忌助くんたちお疲れ。鈴、お帰り」


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