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月に行ったジジイ

お月様について、ほんの少しだけ詳しくなれるお話です。

毎晩、子供に読み聞かせてあげてください。

優しく、ゆっくりと。


きっと、教育に悪いですから。


短編・1話で終わりです。


ワシの事は言わずとも皆知っとるであろうが、一応自己紹介しておこう。


いや、しなくても良いか。


宇宙人C「シナインカイ」



お前達が聞きたいのはワシの話ではなく宇宙の話じゃろうからな。


思えば早いものじゃ。


37年前、ワシが68歳の時に孫の夏休みの宿題で作ったペットボトルロケッツ。


その試作飛行の時、うっかりペットボトルロケッツのキャップにワシの小指が(はさ)まっておってな。


そのまま、打ち上げられたペットボトルロケッツで宇宙に飛び出して今に至るわけじゃが。


宇宙人B「オマエハバケモノカ?」


ん?なんで宇宙に飛び出して生きているのかと?


お前さんも面白い事を聞くのぉ。


そりゃ、ワシがジジイだからじゃ。


宇宙人C「ジジイ ナニイッテンダコイツ」


そもそも宇宙人のお前さんらも宇宙で普通に生きとるじゃないか。


地球人を舐めてはいかんよ。


宇宙人A「ウチュウノドコニイッタ?」


最初に着いた場所?


そりゃあ月に決まっとるじゃろ。地球に一番近い衛星(えいせい)なんじゃから。


月なんて小さい所?馬鹿言っちゃいかんよ。


お主らアリンコみたいな宇宙人からしたらそりゃあ大きな星じゃよ。


月は地球の唯一の衛星じゃが、太陽系の話に絞れば主星に対する比率(ひりつ)が一番大きな衛星が月なんじゃよ。


もっともそれは地球の年表でいう2006年からの話じゃがの。


宇宙人A「ナラ、ソノマエハチガウノカ?ジャップ」


その前は冥王星(めいおうせい)じゃよ。

冥王星にはカロンという衛星があっての、その衛星が主星である冥王星よりデカかったんじゃよ。


主星と衛星の比率でいえば桁違いの大きさじゃったよ。


2006年に冥王星が惑星ではなく準惑星になったからその記録も意味が無くなったがのぅ。


宇宙人B「2006ネンナラオマエハシラナイハズダロ」


馬鹿言っちゃいかんよ。

シュマホがあればそれくらい分かるわい。


宇宙人A「ツキデノ クラシハ カイテキカ?」


そりゃあお前さん、昼と夜で200℃以上温度差がある所じゃ体が変になっちまうじゃろ。

おまけに歩く(たび)に細かい砂が舞うんじゃ…。

くしゃみが止まらんわい。

あんなところジジイ一人では暮らしにくいわぃ。



宇宙人B「ヘンナトコ ダケ リアルダナ!」



もちろんじゃよ、くしゃみは腰痛(ようつう)の大敵じゃからな!



宇宙人C「ツキトイエバ アレガイルダロ?」



なにが居るんじゃ?ウサギじゃと?

そんなもん、居るわけがないじゃろ!

ここをどこじゃと思っとるんだ!宇宙じゃぞ!



宇宙人A「オマエガ ソレヲ イウンカイ!」



本当にウサギが居るなら真っ先に捕まえとるわぃ!


宇宙人の(くせ)に訳の分からんこと言っとると、血抜(ちぬ)きして喰っちまうぞぃ!



宇宙人B「コエーヨ ジジイ」



宇宙人A「オイ ジジイ ウシロニ ナニカイルゾ」



居るわけが無いじゃろ!



その時、大きな木槌(きづち)の様な物がお爺さん目掛けて振り下ろされたのでした。




――――その頃、地球では…――――


「お母さん!いま、月のウサギさんが動いたよ!」


「あらー、すごいわねー」


「きっと、ウサギさんが餅をついたんだよ!」


「あら、ウサギさんは39億年前から動いていないのよ」


「えっ…そ、そうなんだ…」



月は地球と共にあり、大昔から…そしてこれからもずっと地球を見守ってくれる存在であるでしょう。



宇宙人「オワルンカイ!」


――fin



どうでしたか?


そうでしょう。


くだらなかったでしょう。


これは豆知識ですが、日本と同じように月の模様がウサギに見える。という地域もあれば、カニやお爺さんなどと言われている地域もあるそうですよ。お爺さん……。


ではまた。

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