プロローグ
始めまして、この度この小説を書くこととなった葵 舞です。
若輩者で更新速度が半端なく遅いですが、どうかよろしくお願いします。
その日の朝、俺はいつもよりも焦っていた。
なんというか…いや、言い訳はしない。ただの寝坊だ。
今日から俺の高校では定期試験が始まるというのに、前日ちょっと夜更かししてしまったのだ。うん、ちょっと。いつもより五時間ほど遅く。
いつも寝る時間は大体一時頃なので、よーするに単純計算すると六時に寝たことになる。因みに起床時刻は七時半だったので睡眠時間はなんと一時間半! …俺のバカあああああぁああっ!
そんなこんなで現在、自転車をかっ飛ばして学校へと向かっている最中だ。
学校が始まる時刻が八時半で、俺の通学時間はどれだけ頑張っても一時間。ぶっちゃけ間に合いそうにない。
それでも俺は諦めてはいけないのだ。
何故なら…これ以上遅刻すると留年と言われているから。
ヤバイヤバイと焦りつつ、目の前の大通りの横断歩道を渡っている最中に「それ」は起こった。
―――――ドンッ!!―――――
最初感じたのは浮遊感。
え? と思いながら俺は空を飛んだ。
周りの音が消えて、意識がここではない何処かへと向く。
そこでようやく俺はトラックに轢かれた事を理解した。
この日、俺はこの世界での人生に終わりを告げた。