あのあと
告白の後です
「はぁ〜」
重苦しいため息をつき、少年は頭を机にゴンと当てた。
「はぁぁぁ〜ああぁぁぁぁ」
また、頭を上げ、机にごんごんと当てる。
「あーもう、うるっせえなぁ豹士」
豹士と呼ばれたその少年は、突っ伏したまま目だけをグリンと挙げて文句を言った少年を見上げる。
「そうはいっても隆重〜、あれから三日もたったのに返事がないんだぜ。」
隆重と言われた短く刈り込んだ髪の少年は、ジロリとひょうじを見下しグーパンで頭を叩く。
「それはてめーが猫アレルギーのくせに無理して告白して、死にかけて相手をドンびかせたからだろうが!!」
「ソウデシタ…」シュゥゥ
「しかもあのあと大変だったんだぞ!主に俺が!」
〜回想シーンはいるよ☆
「グブェ、ブワッしょ、おっひょん、ばっひょぅ!」
引き続き、くしゃみをし続ける豹士
「グワバァ!!」
素っ頓狂な、くしゃみの声を上げついに倒れこんでしまった
コヒューコヒューと小さい息を吐き、よだれを口から垂らして、小さく小刻みに震えている
どうしようかと少女がオロオロしていると、木の後ろからヒョイ、と隆重が出てきてテキパキと応急処置を施す
「え〜っと、二戸山…奈央さん…だっけ?」
「え?あ、はい…」
奈央と呼ばれた少女は、びっくりした表情で貴之を見、倒れている豹士を心配そうに見つめる。
「あ…、あの、大丈夫…なんですか?」
「あー、大丈夫大丈夫。こいつ猫アレルギーなんだけど、めっちゃ猫好きでさー」
「猫に近づいてはアレルギー出して、何回も死にかけてるんだよ。だけど薬を飲んで寝たらスーグ治るんだよ。」
「ホント、迷惑な奴だよなぁ」
と、ものすごく低いトーンでねっとりと言った
「と、まあこんなやつだから心配しなくてもいいよ。」
豹士を俵担ぎにして奈央の方を見る
「じゃあな」
そう言い残しその場を去っていく
奈央は少し心配した目で豹士と隆重を見てた。
「あ、そうそう」
途中で隆重が振り返る
「こいつの告白、真剣に考えてやってよ」
「え?」
「馬鹿な事言ってるのはわかる。けど、こいつが真剣に考えてやったことなんだ」
「……」
「アレルギーであんたにドンびかれても、思いは伝えたい。好きだって言いたいってな。」
「ま、そういうわけだ。」
「じゃあな」
そう言い残し隆重は去っていた。
〜回想終っわり☆
(と、まあ、あんなことがあったんだ、相手の子は覚えているだろうな)
いじいじとしている豹士を見つめながら隆重はそう考えていた
「こんだけ経ってもこないってことは、もう嫌われたんじゃないのか」
「ああ〜!!やっぱり?やっぱりそうなるよね!!」
急に立ち上がり悶え、ヘドバンのように頭をぶんぶんさせる
「うるせぇ」
ドゴッとみぞおちにグーパンを豹士の腹に隆重は決めた
「く…、クリティカル…ヒット…」
お腹を抱え椅子に座り込み、また机に突っ伏した形になった
フンと小さく息を鳴らし豹士を見る隆重
(けど、本当に俺の気持ち伝わったんだろうか…)
目を閉じ奈央の姿を思い浮かべ豹士はそんなことを考えていたが、殴られた痛みの方が勝っていたので、すぐにそんな考えは消えてしまった。
青い空が広がっている
雲ひとつない晴天だ。
空の青を瞳に映し、奈央は空を見ていた
名前を決めるのに一週間かかってしまった…
これからは毎週土曜か日曜のどちらかに投稿するようにします
次は奈央のターン
デュエル、スタンバイ!!