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ⅵ.【火竜の住処へ!】

 2日ほどは、その島で滞在した。食事も大丈夫だし、水も大丈夫。この世界で冒険するのに、問題はなさそうだ。ということで、準備期間は終了! 今日は島を発って、冒険スタートだ!



【ひと月では竜の住まう地と、人の住まう地を両方見て回ることは難しかろう。駆け足で見て回ることはできるだろうが、そんなに慌てる必要はなかろう?】


「うん! どうせなら一つに絞り込んで、じっくりがいいな!」


【では、そうするとしよう。リイはどちらから見て回りたいのだ?我はどちらでも構わない】


「そうだなぁ…どっちも気になるけど。でも、やっぱり竜の住むところが見てみたいかな!」


【わかった。まずは火竜の住まう地へと、リイを誘おう】


「そっか、竜の住むところも別々で広いから、順番にだよね。うん、まずは火竜の住むところに出発~!」



 って感じで、まずは火竜の住処から見て回ることは、昨日のうちに決めてある。竜の住処にも人が食べられるものはあるみたいだけど、この島で食べた物とは違うということで、もしも私の口に合わなかった時の為にって…ダルシャンがこの島で私が好きだった食べ物を、空間魔法で次々と保存していく。ここまできて好き嫌いは言わないし、どんな食べ物も食べても大丈夫なものなら、挑戦してみようと思ってるんだけど…ダルシャンって、結構私を甘やかす。まぁ、ダルシャンにしたら、15歳の私は庇護対象の子どもみたいな感じなのかもね。甘やかされ過ぎて冒険できないのは嫌だけど、そういうわけでもないから、良しとしよう!



 そんな旅の準備も終え、ダルシャンの背中に乗って飛び立ってから半日ほど。高度がどんどんと上がって、すでに地面は遥か下…。スカイダイビングでも、ここまで上空からじゃないんじゃないかな?


 でも、高いところは平気だし、ダルシャンの魔法で守られてるから、息苦しいこともない。ダルシャンに危ないと小言を貰うくらいには、ダルシャンの背中から乗り出したりして、空の旅を楽しんでいた。



 火竜と風竜の住処は天空に、水竜の住処は深海に、地竜の住処は地上…と言っても、人がとうてい到達できないような山の頂や、火山や、地中にあるらしい。


 地中って…『まるで竜の地下帝国だね!』ダルシャンにそう言うと…。



【竜は国は作らぬと言ったであろう。地中にある地竜の住処も国と呼べるものではない】



 …すごく真面目に返された。まぁ、いいけどさ。冗談だったり、ノリが通じないのも、これから私と過ごしてれば変わっていくかもだし。



 さて、ダルシャンとの空の旅に意識を戻そう。さらに高度を上げていくと、斜め上空に何かが浮かんでいるのが見えてきた。まだまだ遠いから小さいけど…あれが火竜の?



「ダルシャン! あの遠くに見えるのが火竜の住むところ?」


【あぁ、そうだ。もう間も無く到着だ】


「やっぱり火竜しか居ないんだよね?」


【時折、風竜はやって来るが、普段は火竜ばかりだな。人が単独でやって来ることはないが、我がリイを連れて来たように、竜に誘われてやって来る者がいる。といっても数は少ないがな】


「風竜だけ? 水竜や地竜は来ないんだ?」


【水竜や地竜も来れぬということはないし、気まぐれに来るものもいないことはないが…あって千年に一度どいったところか】


「千年に一度…それはすごいレアだね。じゃ、ダルシャンは水竜や地竜が来たのを見たことがあるの?」


【我がこの地にとどまる事は、そう多くないのでな。見たことはないな。同胞から聞いただけだ】


「ダルシャンが見たことないくらいレアな訪問が見れたら、すごいラッキーだよね! 私が居る間に、気まぐれ起こしてくれないかなぁ!」



 そんなことを喋っていると火竜の住処に到着してしまった。天空に浮かぶ岩石群! すごい迫力! ここに滞在するのかぁ…面白そう! ダルシャンが降り立った時には、ワクワクが抑え切れないくらいテンションが上がっていたのだった。ここでは、どんな冒険が私を待っているのだろう!

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