表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

ⅳ.【竜の背に乗って!】

 ついに夏休みになった! 今年は夏休みのほとんど全部をプチ異世界冒険に充てるんだ! だから宿題は速攻で片付けた! 歴代最高記録じゃない? いつもの記録は、夏休みの終盤の駆け込み記録だったけど。


 長期で出かけるからと、友達との予定も入れなかったし、家族は…やっぱりあっさりと出かけることを許してくれた。でも、行き先を聞かずに許してくれるって、あんまりないことだよね? 私が言うのもなんだけど、うちの家はゆる過ぎじゃない?


 まぁ、そんなわけで何の支障もなく、冒険の準備は整った。普通の旅行なら足りないものは旅先で…とかできるけど。今回は異世界への旅行。しかも、旅の連れは火竜のダルシャン。観光というより、冒険なわけで。だから必要になるだろう荷物をリストアップし、なるべくコンパクトにまとめてみた!これで大丈夫かどうか、ダルシャンにも確認を取った。


 ダルシャンには、荷物はいくら重たくても大丈夫だから、必要なだけ持ってくれば良いと言われたけど、『あれも、これも』とか言い出すとキリがないものね。だから、できるだけ荷物は絞り込んだのだ。



 食べるものとかは、人が食べても大丈夫なものをダルシャンが調達してくれるそう。異世界の食べ物も、どんなものがあるか楽しみだ。ダルシャンは地球の食べ物をあまり知らないから…まぁ、私が食べているのをみた限りでは、見た目とかが違うそうだ。好き嫌いはない方だし、いろいろ試してみよう!



【準備は良いか? 良ければ界を渡るとしよう】


「うん、良いよ! ダルシャン、お願いね!」


【任せておけ】



 界を渡るには、ダルシャンとしっかりくっついてないといけない。左手に荷物を持ち、右手でダルシャンを掴む。



【それでは、我が生まれし故郷へと。界を渡ろう】



 ダルシャンがそう言った直後…返事をする間もなく、ダルシャンと私の周りを眩い光が包み込んだ。思わず目を瞑ったけど、手は離さない!



 一瞬にも、すごく長いようにも感じた後、眩い光が収まった気配を感じ、瞬きを繰り返す。すると目の前は、見慣れた神社ではなくて。ここが異世界?


 そして、横にいるはずのダルシャンも、いつもの見慣れたダルシャンではなくて…ダルシャンが成竜になってる!!



「ダルシャン! その姿が本当のダルシャンの姿なんだね!」


【そうだ。どうだ? 我が姿は?】


「かっこいい! かっこいいよ、ダルシャン!」


【そうか】



 ダルシャンの返事は素っ気ないけど、ちょっと嬉しそう。子竜の姿は可愛かったけど、今のダルシャンは凛々しい感じかな? すごく、すごく大きいんだけど、怖さとかは全く感じない。だって、いくら姿が変わってもダルシャンだもの!



【さぁ、早速空を駆けようではないか。リイよ、我が背に乗るが良い】



 そう言ってダルシャンは、私が乗りやすいように屈んでくれる。翼からダルシャンの背中へと乗り込む。荷物はどうしようかと思ったけど、ダルシャンが空間魔法でしまい込んでくれた。本当に荷物が多くても問題なかったんだね…。空間魔法のことは聞いてなかった…。本来の姿でなら、使える魔法の制限もなくなるんだって。


 だから、今の私は身軽なものだ。飛んでいる間は、風から守る魔法もかけてくれるみたいだから、飛ばされる心配もない。最初はゆっくり目に飛んでくれるみたいだしね。うん、高所恐怖症じゃなくて良かった! ジェットコースターも大好きだし!



 とりあえずこの辺りを空から見て回ることに決めると、ダルシャンの大きな翼が羽ばたきを始めて…浮かんだ! どんどん高度が上がっていく! すでに地面の岩もあんなに小さく見える!


 そして、私が大丈夫そうだと判断したダルシャンが、少しスピードを上げて空を駆け始めた!



【空を駆けるのは気持ち良いであろう?】


「うん! 景色がどんどん変わっていくね! すごく楽しいよ!」



 この辺りに他の竜や人はいないらしい。今日のところは、空の旅を少し楽しんで終えた。最初から大冒険は出来ないからね。ダルシャンには時間もいっぱいあるんだし、暫くは私のペースに合わせてもらって、ゆっくり楽しんでいけばいい! まずは…今日の夜ご飯から楽しもうっと!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ