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輪廻  作者: 竜崎 詩音
8/16

謎解き開始

昨晩、姉の本をみて感じた違和感は、間違いではなかった。

表紙を撫でてうとうとしていると、隙間風のせいか机の上においていた紙が僕の足元へ落ちた。

エドさんが僕に渡してきた紙だ。


考え事が過ぎて、ついその紙の事を忘れていた。

複数の小さな穴がランダムに空いたおかしな紙。

これだけでは本当に何の意味のない紙なんだろう、でもそうじゃなかった。

紙切れの右下に小さく文字が書いてあった。


S.C Witch Diary 345


シャーリン・クレスウェル


S.Cの文字を見た瞬間にそうだと確信した。

姉の本に違和感を感じたのは、この紙のWitch Diary の文字が無意識に目に入っていたからだった。

姉に本の題名はWitch Diary この紙切れは、この本に何かあることを示しているようだと気づいた。


「魔女の血だぁ?俺注射は苦手だぞ」


「いや、血を抜くわけじゃないから安心して」


全く大事な時でもこの調子なんだから。


「このWitch Diary にヒントがあったんだ」


Witch Dairy の345ページ、僕は直観だけど、そう判断した。

345ページを開き、その紙を当ててみた。

思った通り、その穴からは綺麗に文字がのぞいていた。

上から順に、文字を並べる。


SCHOOL LIBRARY W 42


学校、まず魔女学校で間違いないだろう。

図書館ってどこにあるんだろう?

パンの配達で通ってはいるけれど、図書館なんて見たことがない。



魔女学校についての記述がある本なんて生まれてから見たことがない、かといって子供の僕が直に聞いても答えてもらえるはずもない。

このWitch Diaryが唯一のヒントだ。

姉さんは最初からこのことを予想して僕に本をくれたんだろうか。

とにかく目次から、図書館についての記述を探した。


小さな文字が端から端まで並んでいる、どのページもそうだ少しくらくらする。

指で文字を追わないとすぐに見失ってしまう、大変な作業だった。

難しい言葉は飛ばして、ひたすら読み進めた。

図書館について分かったことを箇条書きにしてまとめておいた。


・魔女の血を持たない者は入ることができない

・また、上位魔女の同伴を絶対条件とする

・本は丁重に扱う事、持ち出す行為は絶対に禁止である

・本を閲覧した後は速やかに元の場所へ戻すこと

・魔法による複写、模写を禁止する、持ち出しと同じ扱いとする


そのあともずらっと決まりごとが書いてあったが、大事なのはこんなところだろう。

上級魔女の同伴、魔女の血、これじゃ中に入れないじゃないか。

普通に考えて魔女学校から許可が下りるわけもない。

やっと、僕にも知れると思ったのに。


頭を悩ませ、ふとページの端に視線をずらした。


“あなたと友達で1人”


姉さんの字でそう書かれていた。

あなたって、僕のことなのかな・・・?

その確証はないけど、姉さんが僕にくれた本だ、きっとそうだろう。


僕と、友達で1人。

いったい何のことだろう。

でも今の僕に対してのヒントなんて保証はどこにもない。


友達。

一番最近会ったという言う理由から真っ先にダレンの顔が浮かんだ。

僕とダレンで、なにかできるのだろうか。

必要なのは上位魔女の同伴と、魔女の血。


・・・魔女の血、僕とダレンで1人?



あっと思わず声に出して言ってしまった。

僕は姉さんと同じ血が、ダレンのお母さんは魔女だったはずだ。

これで一人分って意味なのかな。

一刻も早くなにが起きているのか知りたい、僕はそう信じてここに来た。


「えーっと、つまり俺とアベル二人で図書館に行けば、お姉さんの秘密がわかるかも知れないって話だな?」


「そう、突然でほんとにごめんね」


「いや別にいいんだけどな、お姉さんの秘密ってなんかエr「なんの話だよ!!」


「もう君ってやつは」


「まだなにも言ってないのに怒られた・・・」


「怒るよ!まじめな話してんだからさ」


「で、いつ行く、今からのつもり?」


「できれば今すぐにでも行きたい、黙っていられないんだ」


「気持ちは分かるけどよ。そうだ一旦お姉さんの本見せてくれよ」


「あ、うん」


図書館のページを開いて本を渡す。

顎に手を当て、唸りながら読んでいる、おじさんみたいだな。


「あとなんだっけ、穴の開いた紙も貸して。ここで立ち話もなんだからあがってけよ」


「なにかわかりそうなの?」


「いいからいいから」


そういってダレンはさっさと家に入ってしまった、僕もお邪魔させてもらうことにした。



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