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砂男  (Der Sandmann)  ETAホフマン原作   ダイジェスト版  その1  狂気のオートマタ小説

作者: 舜風人

これはホフマンの代表的短編怪奇小説。


これに基づいてコミック・バレー「コッペリア」や喜歌劇、「ホフマン物語」(第2幕)という軽いコメディタッチの作品が作られた原作本である。


でも原作本はそんな面白おかしいコミカルなお話ではなくてもっと陰惨な物語ですよ。




では早速私の、あらすじガイドでご堪能ください。




「砂男」ETAホフマン原作。    

短編小説集、『夜景』(ナハト・シュツッケ)直訳すれば「夜の欠片」所収






まずはこんな書簡から始まります




「ナタナエルからロータルへの手紙」


(この物語の主人公ナタナエルは大学生である。ロータルは親友です)




久しぶりのお便りします、


さて


話は僕の幼年時代にさかのぼるが、、、。


僕が幼いころのことであるが、父親のところにでいりしていたコッペリウスという怪しげな男がいたのである。


実は彼は父親と組んで錬金術の怪しい実験を繰り返しており、魔法の世界について二人で、よからぬ研究をしていたのであるが、


母親は「さあさあ、早く寝ないと砂男が来て目玉を穿り出して食べてしまいますよ』と脅かされてその実験を覗き見ないようにされたのであるが、


幼いナタナエルにとってはおとぎ話の砂男はコッペリウスの奇怪な容貌とかさなって焼きついたのである。


ある日たまたま覗き見ているときそれがばれて、引きずり出され、


『おやおや、ちょうどいい目玉がそろったぞ、こいつをいただくとしよう」


というとコッペリウスは錬金術の炉の中から真っ赤に焼けた玉を二つ取り出してナタナエルの眼に押し込もうとするのだった、


父親は『それだけはやめて下さい』と、懇願し、やっとゆるしてもらったのだった、


その後コッペリウスは来なくなり何でも町を去ったという噂だった。


しかし1年後のこと、

夜の9時を回ったころ、

突然、コッペリウスが玄関に表れたのである。


母親は『ねえ、あなたどうしても会わなくてはなりませんの?」


父親は『これでさいごだ。さあ、早く子供を連れていきなさい。お休み」」と吐き捨てるように言い、

部屋を出た、


その後父親の部屋からは怪しげな物音がしてその後突然、


大爆発の音がとどろいたのだった。


あわてて父の部屋に行ってみると、


爆発した炉の前で真っ黒こげになって死んでいる父がいたのだった。

コッペリウスの姿はどこにもなかった、、、。


コッペリウスは指名手配されたが杳として行方はつかめなかった。




それから時はたちナタナエルは大学生になり、下宿生活を送っていた。

と。そこへ一人の老人の晴雨計売りがやってきたのだ、

その男はジェゼッペ・コッポラと名乗っていたが、

一目見てあの、コッペリウスその人と見破ったのだった、

ナタナエルは、「消えて失せろ」と追い出したが心は不安でいっぱいだった。


などという内容が書かれた手紙です。






「クララからナタナエルへの手紙。」


恋人のクララは、兄ロータルの手紙を見せられて、、そんな妄想を捨てて元の明るいナタナエルに戻ってくださいねと

こんこんと諭した手紙をナタナエルに送ったのだった。






「ナタナエルからロータルへの手紙」


クララはナタナエルの恋人でロータルの妹です。




先日の手紙をクララが見てしまったんだね。

ところで先日の晴雨計売りはコッペリウスではなさそうだ。

僕の感違いだったようだ。


ところで大学に、今度、スパランツアーニ教授というのが赴任してきたんだが、

先日教授の家の窓を見上げるとそこに

まるで呆けたように目を開けた娘が座ってるのが見えたんだ、


まるで死んだような目をしたきれいな娘、


僕はぞっとしてあわてて去ったが、あとで人に聞くところによると、

何でも教授の娘のオリンピアというのだそうだ。


教授はこの娘を閉じ込めて決して外に出さないというのだよ、




さて読者のみなさん。以上の、手紙をおよみになっていかがでしたか?


私(作者)がこれからあとは、ナタナエルに起こった恐ろしい、顛末を語ることとしましょう。


さてところで。ナタナエルの父親が亡くなってから、

遠い親せき筋にあたる孤児クララとロータルが縁あってナタナエルの母親に引き取られたのである、

長ずるにしたってナタナエルとクララは互いに深く愛し合うようになったというわけ、


ナタナエルはその後大学に進むためのG町に下宿したというわけ。


クララは健康的で常識もある。とびぬけて美人ではないが明るい気立てのいい娘だった。


そんな折、久しぶりにナタナエルが帰省してきたのである、

クララの喜びはひとしおではなかった。

しかしなんだかナタナエルの様子がおかしいのである


暗くふさぎがちで、

『どうせ、魔力にさからったて無駄なのさ、運命に縛られておしまいさ』などと

つぶやくばかりなのだ。

さらには、暗い陰気な詩を作りクララに朗読する始末。


『やめて下さい、そんな陰気な詩を朗読するのは」と、クララがいえば。

ナタナエルは激高して、

『なんだとこの、血の通わないでく人形め」

といって出て行ってしまったのだった。


ロータルはそれを聞いてナタナエルに詰め寄る。


まさに一触即発になろうとしたときクララは、

二人の間に入って必死にとりなしたのだった、


ナタナエルもはっと目が覚めて、

クララの愛に目が開かれて、一生この女と暮らそうと思うのだった。


さて休暇も終わってナタナエルはまたG町にかえっていった、


帰ってくると驚いたことに下宿はすっかり焼け落ちていたのだ、。

何でも薬剤師の部屋から出火して全焼してしまったのだという。


幸い新しい下宿はすぐ見つかった。

それはスパランツアーニ教授の家の真向かいだった。


ふと見ると窓越しにオリンピアが見えた。

美しかったが、

じっと座って無表情で硬直した様だった。


その時ドアをたたく音が、、。


開けるとコッポラのいやらしい顔があった。


「晴雨計はいらないよ」

というと、

『じゃああ、目玉はどうじゃね?目玉はいらんかね?」


といって様々な眼鏡を取り出したのである。

並べられた眼鏡を見ているとナタナエルはじっと見つめられているようで

気絶するようであった。


『やめてくれ」

『じゃあこれはどうだ?」

といって取り出したのは望遠鏡だった、


それを手に取り窓越しに覗いてみると、


オリンピアの姿が見えた、

それはまるで生きているようでさっきの死んだような姿とは別人のようであった。





(その2に続く」↓



砂男サンドマンder sandmann 」ETAホフマン原作(その2)ダイジェスト版  自動人形に恋して


↑上記をコピーアンドペースとしてくださいませ・




お知らせ


私の作品で、、続き物、連作、シリーズものを、すべてお読みになりたい場合には、「小説家になろう」サイトのトップページにある「小説検索」の欄に、読みたい連作シリーズ作品群の「共通タイトル名」を入力して検索すれば、全作品が表示されますので、たやすくお読みになれます。



付記


2012年ドイツで映画化されています、私は出来が良い映画だと思います。

der sandamann movieで検索すれば詳細が出てきます。

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[良い点] いいね。僕は好きです。大好きです。いや、むしろ、恋かもしれない。 [気になる点] あるわけないじゃん [一言] 俺のもぜひ! よろしく。 マーラシア
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