00.ここはそう...庭園
この度はこちらの小説を読んで頂き心よりの感謝を申し上げます。 とろけちったちーずと申します。 面白い、好きだなと思っていただければ幸いです。
本作が初の執筆作品となります、完結目指してまります。
何処だ… 霧が強すぎて何も見えない。
私はただ1人そこで前も後ろも見えず佇んでいるだけ。
―見えない... 前が見えない。
見えない、見えない、魅れない。
私はどうして生まれたんだろ、
どうして生きたいんだろ。...
誰か教えてくれ、教えくれたって良いだろう。
「......あ、あぁ。もう、朝かよ。」
ごきげんよう、くそが。コモリは心の中でそう思いながら日課となり過ぎて考えなくても身支度をし始めている。
―悲しいくらいに自然な行動にうんざりする。
コモリ 14歳、あいも変わらず憂鬱な朝を迎える。
セミロングの濃いめ赤い艶やか髪を適当にふたつに結び、前髪を手櫛で軽く整える。
―――――――眠い、もう今日は休んでしまおうか。
そんな思いを抱えながら私のいつもの1日は始まる。
《国立名園学院》
この学院は8年生で私はこの春から4年生になる。
1年生の春が懐かしい... 新しい新生活にわくわくしながらこの桜道を駆け抜けたこと今でも思い出す。
歩き慣れた桜道をとぼとぼと思い出に浸りながら、重い足取りで新しい教室へ向かう。
「ごきげんよう、コモリさん。新学期早々遅刻ギリギリとはまだ気分が優れないようですね。」
新担任に嫌味混じりの心配をされてしまった。
教室へ入ると新担任に喝を入れると同時に私は中を見渡す。私以外のクラスメイトは既に席について静かに待っていた。生真面目聖人どもめ。
「少々早いですがホームルーム始めます。皆さん、ごきげんよう。本日から皆さんの担任を務めます、アメリアです。1年間よろしくお願い致します。」
「ふ、ふふっ。ハハッ!ハハハハ!」
私は思わず笑ってしまった。
「コモリさん、何かおかしな事でもありましたか。」
アメリア先生は私をギロッと睨みながら叱責する。
「すみません、先生。先生、私達総合学部はみーんな先生の事もう知ってますよ!...なのに改まって言うから!なんか面白くって!」
私は未だ先程の先生がツボに入ってしまって笑いが収まらない。自分でもこんな事で笑うのはおかしいとは思うが、今日に限って感情のコントロールが効かないらしい。
「はぁ、ご意見ありがとうございますコモリさん。放課後に職員室に来てください。ホームルームを続けます。」
先生は私を無視してホームルームを続けた。
いつのまにか、私の笑いは治って罪悪感に苛まれていた。
授業を終える鐘の音で私は起き上がった。
「今何時!!!」
私は思わず飛び起きて大声を出す。
「コモリちゃん、随分疲れてたみたいだけど...昨日もあまり寝てないんじゃない?」
おかしな私に話しかけてくれた聖女は誰だ!
顔を上げるとクラスメイトのジェーンさんが心配そうに私を見つめていた。
……………下から見上げるジェーンさんも可愛いな。
ジェーンさんは3年間私と同じクラスでかなり話している方だとは思う、友達になれないだろうか。
私はそんな妄想をしながらぼーっとしているとジェーンさんに肩を掴まれ揺さぶられた。
「コモリちゃん、コモリちゃん!しっかりして!本当に大丈夫?!」
――――――――――――私は意識を失った。
都心から遠く離れた自然豊かで生徒の独自性を尊重しているお嬢様学校、国立名園学院。
閉鎖的で神秘的なこの学院で私は、
―――欲望に飢えている。




