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魔女と呼ばれる錬金術師  作者: うみのうさぎ


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8/9

対話

森の入り口。


ゴーレム《ピースメーカー》の胸部装甲が開き、投影魔法陣が展開する。


淡い光の中に、アレシアの姿が映る。


アレシア「やっほー。代表者だれ?」


先遣隊長「……王都先遣隊長だ」


アレシア「固いなぁ。もっとこう、フランクにいこうよ」


ルカ(横から小声)「今あなた武装ゴーレム越しだからね」


アレシア「だって安全第一だもん」


シーラが前に出る。


シーラ「……お久しぶりです、アレシア様」


アレシア「え?」


アレシアは目を細める。


アレシア「……あ」


一拍。


アレシア「シーラ!?」


シーラ「はい」


アレシア「えっ大きくなってる!」


シーラ「成長します」


アレシア「まだ実験棟で泣きながら触媒爆発させてた子が……」


シーラ「その話は」


アレシア「懐かしいなぁ〜。“私、理論は完璧だったのにぃ〜”って」


シーラ「隊長、これは対話です。戦闘ではありません」


先遣隊員が微妙な顔をする。


アレシア「え、今どこ配属? ちゃんと卒業できた?」


シーラ「首席です」


アレシア「うそ!? あの“ポーションに砂糖入れちゃうシーラ”が!?」


先遣隊員「砂糖?」


シーラ「それは栄養補助の実験で」


アレシア「甘い回復薬作ろうとして魔力暴走したよね」


シーラ「……」


ルカ(小声)「やめときなよ」


アレシア「あとね! 夜中に寮で“魔法少女になる練習”してたの誰だっけ?」


空気が凍る。


シーラ「それは」


アレシア「ほら、あのマント自作して――」


シーラ「アレシア様」


声が低い。


アレシア「ん?」


シーラ「それ以上は、外交問題になります」


先遣隊長が咳払いする。


先遣隊長「……アレシア様。我々は調査目的で参りました」


アレシア「うんうん」


先遣隊長「貴女を“魔女”とする報告が上がっています」


アレシア「違うもん」


シーラ「違います」


即答。


全員がシーラを見る。


シーラは真顔だ。


シーラ「この方は魔女ではありません」


アレシア「ほら!」


シーラ「ただし」


アレシア「え」


シーラ「倫理観が研究優先なだけです」


アレシア「悪口!?」


シーラ「武装対話ゴーレムを平然と出すのも昔からです」


アレシア「だって安全だもん!」


シーラ「森を触媒化しているのも事実ですね?」


アレシア「効率化!」


先遣隊長「……」


シーラは深く息を吸う。


シーラ「隊長。この森での戦闘は非推奨です」


先遣隊長「理由は」


シーラ「勝てません」


静寂。


シーラ「そして、本人は本気で悪意がありません」


アレシア「うん!」


シーラ「それが一番厄介ですが」


アレシア「なんで!?」


ルカ「的確」


アレシア「ルカちゃんまで!」


シーラはわずかに口元を緩める。


シーラ「……お久しぶりです、アレシア様」


アレシア「うん。シーラ」


一瞬、学生時代の空気が戻る。


アレシア「ねえ」


シーラ「はい」


アレシア「魔法少女マント、まだ持ってる?」


シーラ「隊長、撤退の判断を」


先遣隊長「いや、調査続行だ」


先遣隊員、必死に笑いを堪える。


森の緊張は、奇妙な形で緩み始めていた。

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