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未到の地
ー結局誰も辿り着けなかったー
森は静かだった。
煙は消え、悲鳴も止み、鎧の音も遠ざかっている。
アレシア「……」
ルカ「……」
アレシア「結局、誰も辿り着けなかったね」
ルカ「まあね」
アレシア「私の防衛網、完璧すぎ?」
ルカ「やりすぎ」
アレシア「非殺傷だよ?」
ルカ「精神的ダメージは甚大」
アレシア「でもほら、森は守られたし」
ルカ「森というか、君の研究室ね」
アレシア「同じことだもん」
ルカはため息をつく。
ルカ「これで噂はどうなると思う?」
アレシア「え?」
ルカ「“魔女の森に入った討伐隊、全員幻覚を見て逃げ帰る”」
アレシア「……」
ルカ「箔がついたね」
アレシア「やだぁぁぁ!」
ルカ「来月もっと増えるよ」
アレシア「えぇ!?」
ルカ「しかも精鋭」
アレシア「研究の邪魔!」
ルカ「罠増やす?」
アレシア「増やさない!」
ルカ「増やす顔してる」
アレシア「……ちょっとだけ強化する」
ルカ「はい魔女」
アレシア「違うもん!!」
森の奥で、ふわりと青い光が瞬く。
誰も辿り着けない一軒家。
だからこそ、噂は消えない。
そして今日もまた――
アレシアは真剣な顔で、危険なほど無邪気にフラスコを振るのだった。




