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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

2025~作品

憂き眠り姫

作者: 蒼月
掲載日:2025/10/31

私は、夢の中で抱かれていた。

私を愛してくれる、その手を放さずにいてくれる存在に。

人間不信の私が、唯一信じられる存在が私を抱きしめていた。

それは、優しい夢だった。


目が覚めるたび、私は憂鬱になる。

私は人が嫌いだった。

囁く言葉のそのどれもが、信じるに値する証拠を持たないことを知っていた。

「愛している」

その言葉をかけられたとき、私はその者の背を気にする。

そこにどんな裏の意図があるのか、勘ぐってしまう。

私の持つ知識は、そういう人間に私を育てたのだ。

今更治ることはない。

不治の病なのだから。


私はいつも恐れていた。

思うに、信じるというのは命がけの行動である。

全てのリスクを一切無視し、その者の胸に飛び込むことである。

だが、私にはそうはできない。

その胸には、鋼鉄の処女の内側のように、鋭い刃が群生していて、

飛び込んだ私は血みどろになる。

そんな想像をしてしまうのだ。

選んだのは、だれにも胸を開かないこと。

そして、誰にも胸を開かれないこと。

それが、一番楽だった。


私は完璧主義者で、私が愛したい人間がこの世に存在しないことを知っている人間だ。

完璧とは、人間には程遠い言葉。

それを求める私は、運命に囚われた永久の奴隷。

追い続け、そして、いつまでもたどり着かない。

結局、私はぬいぐるみを抱いてベッドに倒れる。

また、同じ夢を見て、同じように目を覚ます。


私は、逃げるように目をつぶった。

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