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魔王様は足止めたい  作者: たっつん
不死鳥
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カルル・ヴェイル

「ワールドシステム?」

「そうじゃ、これが動いておった時にそう書いてあったのでな」

確かに王都の方でもそういう記述があった気がする。

「これはどういうものなのでしょう?使い方を知っているのですか?それに『わしら』と言いましたよね?謎の光との関連性は?あの右目の機械にも繋がりそうな気がするのですが…」

アーサーが畳みかけるように質問をする。

「待て待て、いっぺんに言うでない。…はぁ」

ため息をついた後、申し訳なさそうにこちらを見る

「正直に言うと…わしもよくは知らぬ」

「え?じゃあなんでここに…」

「詳しい者がおるんじゃ」

「詳しい者?」

「そやつが言うにはわしのをおかしくした光もあの右目の機械もこれが原因じゃと言う」

どういうこと?その人一体何者だろう?

あ、いや、もしかして

「それって300年前に来たカルル・ヴェイルって人?」

「そうじゃ。本名は別じゃがな」

あれペンネームだったんだ。

ただの旅行記だし本名だとばっかり思ってた。

「ちなみに何て名前なの?」

「…口止めされとるから言えん」

300年前の話なんだしさすがにいいと思うんだけどな。

「300年前、わしはたった一体のグリフォンにやられた。謎の光のせいでな。アレはその発生源を方角などから推測してこの場所を見つけたわけじゃ」

え、すごすぎる。

たった一回見ただけでこんな隠された場所を見つけられるものなのか。

カルルさんっていったい…。

「そしてしばらく研究したあと、復活したわしを信頼していろいろなことを報告してくれおった。復活した直後じゃったので記憶は曖昧じゃがの」

「つまり、そこでこの場所を知ったと?」

「うむ、実際にこの場所に赴き、緊急時の対処を語ってくれおったわ。研究の詳細までは教えてくれなかったがの」

「では、あの光が何なのかであったりあの機械は何なのかは…?」

アーサーが不安そうに聞く。

「そういうものがあるというのはわかったがなぜ存在するのかまではわしは知らぬ。おそらく奴もわからなかったと思う」

「そう…ですか…」

がっくりと肩を落とす。

「そう肩を落とすでない、嬢ちゃん。原因が死んだ時点でもうこれ以上どうにかなるわけでもない」

「それはそうなのですが…」

「…しかし、これが世界をも揺るがすものであるのは間違いない。そのとっかかりがこれであったのじゃが」

「…なるほど、やはりそうなんですね」

そうしてアーサーは考え出した。


その時ふと不死鳥は目をそらしたのが見えた。

…ん?なんだろう、まだ何か隠しているような?

「あの…」

「語るべきことは全て語った。これ以上は何もわからぬ」

好感度足りないみたいな返答してきた。

うー、気になる。

内容的にもっとクリティカルなことな気がするんだけどな。


…というかなんか急にはっきり思い出したね。

最初会った時のボケた感じは何だったのか…。

「なにやら失礼なことを考えておるな」

「…ソンナコトナイヨー」

くっ!察しもよくなったようだ。


「しかし、久しく会っとらんが、今は一体何をしとるのかのう?」

「え?」

「ほれ、カルルといったか?前に話したのはいつだったか…」

お、おじいちゃん!?

え、どうしよう、300年前だよ?絶対その人死ん…。

「いや…あ、あのね、不死鳥さん、多分その人人間だから…」

ふんわりと伝えようとしたが後ろからリリスが口を開き始めた。

「何を言っておる?300年も前じゃぞ、人間じゃろうが魔族じゃろうが死んでおるわ。ボケたかじじい」

「リリス!もうちょっとオブラートに…」

「ボケとらんから安心せい。死んでおらんよ。奴は魔女となった人間じゃ。老化などとっくの昔に克服しておるわ」

「な!?」

存命だったのか!

っていうか魔女って!?

「その人、今はどこにいるか知ってる!?紹介してくれない!?」

「うーむ。はて、どこじゃったかのう?」

心当たりが1つあるのか片目を開けてこちらを見る。

「お願いします!私達がここに来た目的の一つなんです!」

「不死鳥殿…」

私、アーサー、ハルが頭を下げる。


「…では選べ。恩人とはいえ礼として渡せるものは1つじゃ」

「どういうこと?」

「わしの羽を欲しがっておったじゃろ。カルルの居場所か羽か、選べるのは1つじゃ」

え、ここにきて選択式!?

私としては情報でいいと思うんだけどな。

しかし3人が考える間もなく口を開く。

「「「羽を」」」

「え!?ちょっとみんな!そんな簡単に…」

「今回ここに来た目的です。魔王様のためであれば迷う必要はありません」

「当然です。魔王様のためであれば」

「余はどっちでもよいが、ぬしともう一度戦えるなら羽の方がよいかの」

3人はそれぞれに話し出す。


「はっはっはっはっは!!」

急に不死鳥が笑い始める。

「え?」

「気に入った。わしの羽を持っていけ」

不死鳥は10本ほど自分の羽をむしって渡してきた。

「え!?こんなに!?」

「よい、持っていけ。すぐに再生しおるわ。それとカルルの場所じゃが、魔王城から北へ、魔境を抜けたところの森の中に住んでいるのがわしの聞いた最後じゃ。選ばせたのは…まぁちょっとしたお遊びじゃ」

「不死鳥さん…ありがとう!」

そうして私たちは今回の旅の目的を全て達成した。


「あぁ、特徴も教えておこう。髪は黒、長くあまり手入れはされておらんかったな。黒いマントととんがった帽子をいつもしておるこの辺りでは見ぬ顔だちであった」

「…その人、左目に何かつけていませんでしたか?身長は私より少し低いほどで」

突然ハルが手をあげて発言をする。

「なんじゃ知っておるのか?そうじゃ。」

「どういうこと?なんで知って…?」

「アーサー、あなたも知っていますよね?」

アーサーはこくりとうなずく。

「ケンタウロスを封印する際、封印魔術について助けてくれた方です」

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